転職面接でよく聞かれる退職理由と転職理由。聞かれる目的と良い印象を与える回答例を紹介!
意外に回答に困るのがこの退職理由と転職理由です。
前向きな理由で退職した人であれば困らないのですが、退職する人の多くはネガティブな理由の場合が多いです。そう言った場合、どう答えるのがいいのか?
そもそもどういう意図でこの質問をされるのか?このページでは好印象を与える回答例やこれらの点について解説しています。
■目次
最初に知っておいて欲しい「退職理由」と「転職理由」の違い
「退職理由」と「転職理由」とでは実は意味合いが異なってきます。
退職理由
退職理由は、退職を決意した原因であり、どちらかというとネガティブ理由になります。何かに対して不満があるから退職をするのであり、全ての要求が満たされているのであれば退職なんてしませんよね。
転職理由
転職理由は何を期待して転職しようとしているのかというポジティブな理由になります。
では、面接で「退職理由」もしくは「転職理由」を聞かれたとき区別して回答する必要があるのか?
結論としては、
区別する必要はありません。
退職理由はネガティブ、転職理由はポジティブという違いはありますがこれは紙一重の違いであり、言い方の違いにしかすぎません。具体的な例を一つ挙げてみます。
【退職理由】
嫌な上司が多く人間関係が嫌だった
【転職理由】
周りメンバーと連携を取りチームワーク良く仕事を進めたい
違いは分かりましたでしょうか?
人間関係が嫌だったというネガティブな理由で退職をしたけど、転職理由は良い人間関係を期待するというポジティブな理由になります。
しかし、ネガティブな退職理由を言い換えると「良い人間関係を求めて退職した」とも言えますよね。このように退職理由と転職理由は言い方の違いにしか過ぎないのです。
面接でネガティブな発言は良い印象を与えないので面接の質問で退職理由を聞かれた場合は、ポジティブな転職理由の方を言えばいいのです。たとえば以下のような退職理由の回答をします。
退職理由の例
前職では、周りのメンバーと作業する機会がなく個人作業が主業務だったのですが、私は周囲のメンバーと協調しコミュニケーションを取りながら作業を進めるのを得意としており、その方がより高い成果を上げることができるのではという思いが強まり、退職することを決意いたしました。
面接官が退職理由や転職理由を聞く理由とは?
面接官が退職理由もしくは、転職理由を聞く理由は以下の3点しかありません。
転職(退職)理由を聞く理由
- 仕事に対する意欲やモチベーションを確認するため
- 前職と同様の理由で再び辞められる可能性がないかを確認するため
- 人物像を確認するため
この3点は重要なのでもう少し具体的に解説しておきます。
仕事に対する意欲やモチベーションを確認するため
退職(転職)理由にネガティブな回答や他人の責任にしているような回答が目立つ場合、責任意識が低くネガティブ思考な人だととられ、採用しても常にネガティブな考えで仕事に対する意欲も高くないだろうと思われます。
前職と同様の理由で再び辞められる可能性がないかを確認するため
採用しても同様の理由ですぐに辞められてしまうと会社としても大きな損失となります。そのため同様の理由で再び辞められる可能性が無いかを確認します。
たとえば「人間関係が嫌だった」といった回答をした場合、それって当社でも人間関係が嫌になったらすぐまた辞めてしまうのと思ってしまいますよね?その他にも「残業が多かった」「転勤させられそうになった」「待遇に不満があった」「仕事が面白くなくなった」など、基本的にはすべてネガティブな回答がそのように思われてしまいます。
人物像を確認するため
他の確認事項にも共通して言えることですが、ネガティブな回答をする人は、考え方が常にマイナス思考で人物的にも問題があると判断されます。また、面接対策を事前に少しでもしている人であればネガティブな回答はNGだとわかるはずです。このサイトを見て頂いているあなたなら当然だと思いますよね?
それにもかかわらずネガティブな回答をするということは、自分の将来がかかわることに対しても全くの努力や事前準備ができない人だと思われ、採用したところで仕事に対する姿勢も同じだろうと判断されるのです。
退職理由と転職理由はウソを言ってもいいのか?
ウソを推奨するわけではありませんが、ウソを言っても構いません。
ただし、企業に対して悪影響を与えたり損害を及ぼす可能性があるウソは絶対についてはいけません。たとえば、退職理由が「懲戒解雇」だった場合などです。懲戒解雇の場合は、面接質問だけではなく履歴書の書き方も含めて非常に難しい問題になるので、別ページで詳しく解説させていただいております。詳細を知りたい方は以下のページを参照ください。
ここで言うウソとは、『最初に知っておいて欲しい「退職理由」と「転職理由」の違い』の章で記載したような『人間関係が嫌で退職した』という本音の理由を『周りメンバーと連携を取りチームワーク良く仕事を進めたい』や『前職では同じ業務の繰り返しだったため新しい環境で新たな技術を学び自分を成長させたい』など前向きな理由に変えることです。
注意点としては面接官も退職理由としてネガティブな回答は隠すということある程度想定しています。しかし、明らかにウソと分かるような理由は不信感につながるため度を過ぎたウソには注意するようにしてください。あくまで言い方や表現、言い回しを変えてポジティブな内容にするレベルにとどめてください。
好印象な回答をするためのポイントとNG回答
退職(転職)理由として好印象を与える回答は『ポジティブな理由』、反対に悪印象を与える回答は『ネガティブな回答』。基本的にはこれだけですが、回答を考える上で押さえておくべきポイントを7つ紹介しておきます。
回答を考えるときの7つのポイント
- 他人の悪口は言わない
- 努めていた会社の批判はしない
- 福利厚生はできる限り理由にしない
- 給与や休みなど待遇面を理由にしない
- 応募する企業にも当てはまる退職理由は避ける
- 明らかにウソと分かる理由は言わない
- 退職理由と志望動機がつながる理由にする
退職理由と転職理由の質問集と回答例
では、実際に面接で聞かれる退職(転職)理由に関する質問集と回答例を紹介していきます。
転職をしようと思った理由を教えてください。
これまで何度も解説してきた通り、仕事に前向きでポジティブな理由を伝えることで印象が良くなります。さらに志望動機につながる理由にすることで、転職理由と志望動機に説得力を持たせることができます。
【正しい回答例】
組み込み系のソフトウェア開発を行っていたのですが、すべて他社からのプログラミングのみの請負業務でした。プログラミング自体は好きなので問題なかったのですが、開発者として要件定義や設計など上位工程から携わりたいという思いが以前からありました。そのためには請負業務ではなくソフトウェアを自社開発をしている会社で働く必要があると考え転職を決意いたしました。
志望動機への流れ
上記のような回答をした場合、志望動機に『ソフトウェアを自己開発している御社で働きたいと思いました』と言った文言を含めると、面接官に強い思いで志願してくれたと感じてもらうことができます。
逆にソフトウェアを自己開発していない企業に応募してしまうと、『また同じ理由で辞められるのでは?』『何で我が社を選んだんだろう?』と思われてしまいます。
前職の退職理由を教えてください。
『最初に知っておいて欲しい「退職理由」と「転職理由」の違い』の章でも記載しましたが、退職理由と転職理由が厳密には異なります。しかし、面接で話す内容は区別する必要はありません。
よって、『前職の退職理由を教えてください。』と言われた場合も『転職をしようと思った理由を教えてください。』で記載した内容と同じような内容で構いません。
退職してから期間が空いていますが理由を教えてください。
退職してから転職活動を始める人は転職活動期間として約3ヶ月程度は必要で、この程度であれば疑問視されるようなことはあまりありません。しかし、半年や1年、もしくはそれ以上長い期間無職状態が続いていると『なぜこんなに長い期間無職状態が続いていたのか?』
『この空いている期間は何をしていたのか?』という点を気にされます。
基本的にブランク期間はマイナス評価にしかなりません。しかし、回答次第でマイナス評価をゼロもしくは限りなくゼロに近づけることは可能です。
では、どういった回答をすればいいのか?
マイナス評価を防ぐ5つの理由
- 資格を取得するためのブランクだった
- 仕事に役立つ技術やスキルを習得するのに必要なブランクだった
- ケガや病気の療養に必要なブランクだった
- 両親の介護や看病のためのブランクだった
- キャリアチェンジをするための技術習得に必要なブランクだった
マイナス評価を防ぐことをできる理由は基本的には上記のような『やむを得ない理由』もしくは『仕事に前向きな理由』このどちらかしかありません。
下記は、キャリアチェンジを例とした回答例です。
【正しい回答例】
これまでは自動車業界で働いていたのですが、ソフトウェア開発に興味があり御社のようなIT関連の会社で仕事をしたいと考えています。未経験でも応募可能と言う企業はいくつかあったのですが、基礎知識くらいは身に付けておきたいと考え、その知識習得と基本情報技術者試験を受けるための期間として活用しておりました。基本情報技術者試験は残念ながら不合格でしたが、引き続きチャレンジしていきたいと考えております。
退職してから期間が空いている場合は、その他にもいろいろと注意すべき点があります。長くなってしまうため要点だけ記載しましたが、更に詳しく知りたい方は以下のページも併せてご覧ください。
転職回数が多いですが理由を教えてください。
社会人の約50%が転職経験があるというデータもあるため転職自体は珍しくありません。しかし、その回数が多くなると色々と疑問視されます。たとえば以下のような点を気にされます。
気にされる4つの点
- 人物的に問題があるのでは?
- 仕事に対して意欲、忍耐力がないのでは?
- 採用して退職されたら社員定着率に影響がある
- 採用して退職されたら育成・再雇用コストに無駄がでる
では、何回転職を繰り返したら多いと思われるのか?
これは年齢によっても変わってきます。たとえば20代の人が2回目の転職をするのと50代の人が2回目の転職するのでは、20代の人の方が多いのではと思われる可能性が高いです。社会人になってまだ数年しか立っていないのに2回転職しているのだから当たり前ですよね?
よって、面接官によっても感じ方がことなりますが、転職回数が多いと思われる目安回数は年齢別に以下のようになります。
【転職が多いと思われる回数】
- 20代~30代前半:2回以上
- 30代後半~:3回以上
では、転職回数が多くても面接官が採用したいと思う人はどういった人なのか?
転職回数が多くても採用したい人材
- これまでの転職で得た知識やスキルを活用できている人
- これまでの転職の反省点を理解し、教訓にできている人
- 自分ができることとやりたいことを具体的にイメージできている人
- 応募している要件以上のスキルや知識を持っている人
上記4点のいずれかがあれば転職回数が多くても採用したいと思われる可能性は高くなりますが、飛びぬけた何かが無い限りやはりマイナスイメージの方が大きいというのが実際のところです。
質問に対する回答は、「気にされる4つの点」で記載した面接官が気にする点をいかに『気にしなくても大丈夫ですよ!』と思わせるかが重要になります。
【正しい回答例】
転職は今回で3回目となるのですが、最初の2回は仕事に対する忍耐力が低かったと反省すべき点はありました。そして、前職ではその反省を踏まえ約7年間前向きにしっかりと業務に取り組んでまいりました。今回の転職は以前から興味があり独学でも学んできたソフトウェア開発を生涯の仕事にしたいと思い、キャリアチェンジを目的とした転職になります。
回答のポイント
転職を何度も繰り返している人の多くは、何らかのネガティブな理由を持っていることを面接官は分かっています。良いことばかり述べても簡単にウソは見抜かれてしまいます。
そこで、「正しい回答例」のように反省すべき点は反省し、その反省をどのように活かしているのか?そして、応募中の企業にはそう言ったネガティブな理由を繰り返すことはありませんということを伝える必要があります。
ただ、ネガティブ過ぎる理由を表に出すといくらフォローする言葉を入れてもフォローしきれない場合もあります。そういった難しい点もあるので回答を考える場合は注意が必要です。
以下のページでより詳しく転職回数が多い場合の回答や注意点について記載しているので宜しければ参考にしてください。
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おすすめの質問対策方法
ネガティブな理由で退職された方も多いと思います。
しかし、面接官はネガティブ理由で退職した人は採用しても同じ理由でまた退職するリスクがあると考えます。かと言って下手な理由を述べても面接官もプロなので簡単に見破られてしまいます。
そこでおすすめなのが転職エージェントを利用する方法です。
転職エージェントを利用するとネガティブな理由で退職した場合、どのように回答するのが最善なのか応募する企業に応じた最適な回答をアドバイスしてもらうことができます。前職が懲戒解雇になって回答に困っている人にもおすすめです。
また、面接対策以外にも応募書類の添削や面接日程の調整などさまざまなサポートを完全無料で行ってくれます。
実際にどういったサポートをしてもらうことができるのか?そして、数ある転職エージェントの中でおすすめの転職エージェントはどこなのかと言った点を以下のページで詳しく解説しているので宜しければ参考にしてください。