再就職手当の受給条件と受給額

再就職手当は再就職したからといって誰もがもらえるわけではありません!

このページは再就職手当の支給条件と支給金額について解説しています。自分は再就職手当がもらえないのではと心配な方は是非、最後まで一読してください。

再就職手当を受給するための8条件

再就職手当の8つの受給条件

  1. 失業保険の受給申請後、7日間の待期期間を満了した後、就職または事業を開始する
  2. 3ヶ月の給付制限のある人は、給付制限開始1ヶ月間はハローワークもしくは職業紹介事業者の紹介した会社に就職した場合のみ
  3. 失業保険の給付日数の残りが所定給付日数の3分の1以上あること
  4. 離職前の会社に出戻り再就職でないこと
  5. 1年を超えて勤務することが確実なこと
  6. 原則として再就職先で雇用保険の被保険者となっていること
  7. 過去3年以内に再就職手当を受給していないこと
  8. 失業保険の受給申請前から採用が決定していた会社ではないこと

再就職手当を受給するには上記の8つの条件を満たしている必要があるのですが、少し分かり難い条件もあるので1つずつ詳しく解説していきます。

失業保険の受給申請後、7日間の待期期間を満了した後、就職または事業を開始する

失業保険の受給申請を行い受給資格が決定するとそこから7日間の待期期間が発生します。再就職手当を受給するにはこの7日間の待期期間が修了した後に再就職もしくは企業する必要があります。

再就職手当の受給条件
再就職手当を受給するための条件

ただし、3ヵ月の給付制限がある人は少し条件が異なるので次章の解説をご覧ください。

3ヶ月の給付制限のある人は、給付制限開始1ヶ月間はハローワークもしくは職業紹介事業者の紹介した会社に就職した場合のみ

自己都合退職をして失業保険の受給に3ヶ月の給付制限がある人は、給付制限がない人と同様に7日間の待期期間が終了すれば再就職手当の受給対象となります。しかし、3ヶ月の給付制限に入った直後の1ヶ月間に限ってはハローワークもしくは厚生労働大臣の許可を受けた職業紹介事業者に紹介され再就職した場合のみが再就職手当の受給対象となります。

再就職手当の受給条件
再就職手当の受給条件2

厚生労働大臣の許可を受けた職業紹介業者とは?

ここで多くの人が疑問を持つ点として厚生労働大臣の許可を受けた職業紹介事業者とは、よくある転職サイトや転職エージェントも該当するのかという点です。

対象となる職業紹介事業者は厚生労働省に許可・届出が出されている必要があるのですが、『doda』や『リクルートエージェント』、『リクナビNEXT』といった大手転職サイト、転職エージェントは全て厚生労働大臣の認可をもらっており対象となります。

しかし、問題は『職業紹介事業者の”紹介”』という部分です。転職サイトのように自分自身で求人を検索し、応募する場合はこの条件の対象外となります。

ただ、転職エージェントを利用し、転職エージェント経由で応募した場合は条件を満たしている扱いになります。

厚生労働大臣の許可を受けた職業紹介事業者とは?

転職サイトは該当しないが、転職エージェントを利用して転職エージェント経由で求人に応募した場合はこれに該当する

以下のページに厚生労働大臣の許可を受けており、その中でも特におすすめの転職エージェントを紹介しています。再就職手当の受給を考えいてる人は是非、ご活用ください。

失業保険の給付日数の残りが所定給付日数の3分の1以上あること

再就職手当の受給するには、失業保険の給付日数の残りが所定給付日数の3分の1以上残っている必要があります。

下表は、再就職手当を受給するために必要な失業保険の残り給付日数を所定給付日数別に記載したものです。自分自身の失業保険の所定給付日数と再就職手当を受給するのに必要な残給付日数をご確認ください。

再就職手当の受給条件
受給に必要な給付残日数

離職前の会社に出戻り再就職でないこと

離職前の会社に出戻り再就職は再就職手当の対象外となります。また、出戻り再就職だけではなく離職前の会社と資本や資金、人事など密接な関りがある場合も対象外となることがあるので注意が必要です。

1年を超えて勤務することが確実なこと

1年を超えて継続的に勤務することが確実であることが必要条件となっています。

契約期間が1年以下の雇用契約で更新が見込まれない場合や、更新のために一定以上の成果が求められるような契約の場合は対象外となります。期間の定めのない契約や1年以下の雇用契約だが契約更新が可能な旨の明示がある場合は受給対象となります。

原則として再就職先で雇用保険の被保険者となっていること

再就職先で雇用保険の被保険者になることが受給条件としてあります。ただし、あくまで原則であり個人事業主など雇用保険に未加入でも受給対象となる場合があります。

過去3年以内に再就職手当を受給していないこと

過去3年以内に再就職手当や常用就職支度手当を受給したことがある場合は、受給条件から外れてしまいます。

失業保険の受給申請前から採用が決定していた会社ではないこと

再就職手当を受給するには失業保険の受給申請後に採用が決定した場合に限ります。ただし、雇用契約が開始される日(入社日)は失業保険の待期期間(7日間)満了日より後である必要があります。

再就職手当の支給金額

再就職手当の支給金額は、失業保険の『基本手当日額』『残り給付日数』によって変わってきます。

失業保険の残り給付日数が所定給付日数の3分の1以上残っている場合は、失業保険の残受給額の60%を再就職手当として支給されます。また、残り給付日数が更に多い3分の2以上残っている場合は、失業保険の残受給額の70%を再就職手当として支給されます。

下表は所定給付日数別に給付日数が何日以上残っていれば60%が適用され、何日以上であれば70%が適用されるかを表したものです。

再就職手当の支給率

計算式は次の通りです。

再就職手当の受給額計算式

[補足事項]
自分自身の『基本手当日額』と『所定給付日数』を知りたい場合は、失業保険の受給申請をしたさいに作成された『雇用保険受給資格者証』に記載されているのでそちらをご確認ください。

再就職手当を少しでも多くもらうには?

再就職手当は失業保険の残り給付日数が多ければ多いほど受給額が増えます。よって、少しでも多くの再就職手当をもらうには、できる限り早く再就職先を決定する必要があります。

ただ、早く再就職すると再就職手当は増えるかもしれないが失業保険の受給額が減るので結局は損するのではと考える方もおられると思います。しかし、実はそんなに大きな金額差は生じないのです。

気になる方は是非、以下のページもご覧ください。

再就職手当がもらえないのではと心配な人のQ&A

再就職手当がもらえないのではとよく心配されるケースをいくつかピックアップし、実際のところもらえるのかもらえないのかについて解説しておきたいと思います。

再就職手当はパートやアルバイトでも支給される?

パートやアルバイトでも再就職手当は受給対象となります。

再就職手当は正社員になった人しか受給できないと思っている人もおられるかもしれませんが、パートやアルバイトも受給対象になります。重要なのは、『再就職手当を受給するための8条件』の章で記載した条件を満たしているかどうかだけなのです。

8つの条件の中で特にパートやアルバイトの場合ネックになるのが、『1年を超えて勤務することが確実なこと』と『原則として再就職先で雇用保険の被保険者となっていること』の2つです。これらの条件を満たしているかの確認は再就職手当の支給申請をするさいに提出しなければならない申請書『再就職手当支給申請書』で確認されます。

この『再就職手当支給申請書』は本人が書く部分と転職先の会社側で記載してもらう部分があります。そして、転職先の会社側で記載してもらう部分に『1年を超えて勤務することが確実なこと』と『原則として再就職先で雇用保険の被保険者となっていること』の2つを確認する項目があります。

下図は『再就職手当支給申請書』の会社側が記載する部分だけを切り取った図です。

再就職手当支給申請書(会社記載部分)
再就職手当支給申請書

再就職手当は個人事業主になる場合でも支給される?

個人事業主(フリーランス)でも再就職手当は受給対象となります。

重要なのは、『再就職手当を受給するための8条件』の章で記載した条件を満たしているかどうかです。

個人事業の場合、『1年を超えて勤務することが確実なこと』と『原則として再就職先で雇用保険の被保険者となっていること』の2つの条件が気になりますが、個人事業の場合は雇用保険の被保険者になっていなくても再就職手当の受給審査は通ります。

問題は、『1年を超えて勤務することが確実なこと』の方です。

ただ、実はこの条件も難しく考える必要はありません。一見、求められているのは『1年を超えて働いていることを証明しろ』と思われがちですが、そうではなく『1年を超えて働き続ける意思があるか証明しろ』なのです。

意思を証明するものに特に決まったものはありませんが、再就職手当の受給申請をするさいに証明できる資料の提出を求められます。その資料は再就職手当の受給審査結果に大きく影響してきます。よって、意思を証明できるであろう資料は少しでも大いに越したことはありません。『証明になるかどうかわからないけど』というのも念のために提出しておくといいと思います。

意思を証明するものの例

  • 購入した仕事用パソコンの見積書や領収書
  • レンタルサーバーの領収書やレンタル期限を示すもの
  • 取得したドメインの領収書や有効期限を示すもの
  • 業務委託契約書
  • 業務計画書
  • 取引先との契約書

上記のレンタルサーバーやドメインも1年を超えた期間契約をしていればかなり有効な証明物となりますが、1年以下の契約でもある程度の継続意思は確認できるので提出するようにしましょう。

また、必ずハローワークの職員の方にも『これらで証明になりますか?』、『他にどういったものが証明になりますか?』と確認するようにしてください。

開業届の提出タイミングには注意が必要

開業届の提出タイミング次第では、再就職手当の受給資格を得られなくなることがあるので注意してください。

開業届の提出タイミング
開業届の提出タイミング

給付制限のない人は失業保険の受給資格を得てから7日間の待期期間満了日以降であれば開業届を出しても構いません。しかし、給付制限のある人は給付制限期間の最初の1ヶ月間はハローワークや職業紹介事業者の紹介で就職した場合しか再就職手当の受給対象とならないので、この期間に開業届を提出すると受給対象外となってしまいます。

詳しくは『3ヶ月の給付制限のある人は、給付制限開始1ヶ月間はハローワークで紹介した会社に就職した場合のみ』の章もご覧ください。

自己都合で退職した人も再就職すれば再就職手当はもらえる?

自己都合で退職して再就職した人でも再就職手当はもらえます。

ただし、注意点として自己都合退職し失業保険の給付制限(3ヵ月)がある人は給付制限期間中の最初の1ヶ月に関しては求職活動の方法に注意が必要です。

再就職手当の受給条件2

上図に記載している通り、給付制限期間中の最初の1ヶ月に関しては、ハローワークや厚生労働大臣の許可を得た職業紹介事業者の紹介で就職した場合しか再就職手当の受給対象になりません。2ヶ月目以降は自分自身で探した会社、知人の紹介などでも構いません。

詳しくは『3ヶ月の給付制限のある人は、給付制限開始1ヶ月間はハローワークで紹介した会社に就職した場合のみ』の章もご覧ください。

以下のページで紹介している転職エージェントはすべて『厚生労働大臣の許可を得た職業紹介事業者』に該当しているので、是非、ご活用ください。

再就職手当を受給する人は就業促進定着手当も忘れるな!

再就職手当を受給した人は、就業促進定着手当も受給対象となるのですが、受給申請を忘れ10万円前後の手当をもらい損ねている人が非常に多いです。

就業促進定着手当とは、前職よりも給料が下がった人が受給できる手当で、再就職手当を受給した人限定の追加手当です。

就業促進定着手当に関しては以下のページで詳しく解説しているので宜しければ参考にしてください。