会社を辞める時に必ず聞かれるのが「退職理由」です。しかし、多くの人が本音の退職理由を言わない場合が多いです。正確には「本音の退職理由は言い難い」だと思います。

あなたはどうですか?

ただ、たとえ本音が言い難くても絶対にやっては駄目な退職理由の嘘のつき方があります。これをやってしまうと色々な面で不利になり後々後悔することになるので、是非、最後まで一読ください。

多くの人が悩む言い難い退職理由

言い難い転職理由

実際に仕事を辞めたいと思った本音の退職理由の内、言い難い退職理由を見てみたいと思います。以下の様な理由でも気にせず本音の退職理由を伝える人もおられると思いますが、やはりネガティブな理由の場合は言い難いですよね?

[言い難い退職理由]

  • 職場の人間関係が嫌
  • 上司が恐い
  • 上司の仕事のやり方が嫌
  • セクハラされる
  • パワハラされる
  • このまま働き続けてもこの会社では将来が見えない
  • 給料などの待遇が悪過ぎる
  • 仕事が面白くない
  • 残業や休出が多過ぎる
  • 自分の成果を評価してもらえない

円満退職 でも円満なのは会社側だけ?

ネガティブな理由で退職することを決断した人の多くは、退職理由を別のことに置き換えます。なぜなら日本人は穏便に物事を終わらせたいという気持ちが強いからです。

「上司が恐過ぎて耐えれないので辞めます」

なんて言おうものなら上司ともめてしまうのでは?と考えてしまい、もめ事になることを嫌がります。その結果、「家業を継ぐことにしました」など嘘の退職理由を言うことになります。

円満退職をするためにこういった本音ではなく建前の退職理由を言うことは決して悪いことではありません。しかし、絶対にやっては駄目な建前の退職理由があります。円満退職するために言った建前の退職理由が、後々自分を苦しめる場合があるのです。

絶対やっては駄目!間違った退職理由の嘘のつき方

嘘の退職理由

では、実際にやっては駄目な退職理由の嘘のつき方とはどういったものなのか?

それは、本来なら会社都合になる理由を自己都合の理由に置き換えて言ってしまうことです。以下に実際に例を記載します。

[本来の退職理由例]
上司のパワハラが酷く、精神的に追い詰められ日々体調が優れない。通院した結果も鬱(うつ)と診断され、これ以上、仕事を継続すると身が持たない。

[建前の退職理由例]
仕事がきつく体力的にも精神的にもきついので、もう少し負荷の軽いところに転職したい

退職理由としては似通っていますが、この2つの理由には大きな違いがあります。それは、本来の退職理由には「パワハラ」と「うつ」というキーワードが含まれています。パワハラが原因でうつになり、退職に追い込まれたのであれば会社側が原因で退職する、いわゆる「会社都合」になります。

それに対して建前の退職理由の方は、「自己都合」での退職となります。

「パワハラされている」ということを言い出し難い人は意外に多く、更にパワハラで精神的に追い詰められ退職に追い込まれる人は、その環境から少しでも早く逃げ出したいという思いから自己都合でもいいから早く会社を辞めたいと思う人が多いのです。

しかし、「会社都合」で辞めるのと「自己都合」で会社を辞めるのでは大きな差が出てきます。

では、自裁に会社都合と自己都合ではどういった差が出てくるのか?見ていきたいと思います。

会社都合と自己都合とでは、どういった差がでてくるのか?

会社都合と自己都合とでは、以下の4つの差がでてきます。

1.失業を保険の受給開始日に差がでる

退職後、失業保険を受給する場合に受給開始日に大きな差がでてきます。

会社都合で退職した場合は、離職手続きが完了して8日目から給付が開始されます。それに対して自己都合の場合は、3ヶ月と8日目から給付が開始され、3ヶ月の差がでてきます。自己都合の場合は、再就職しない限り3ヶ月間無収入となるのです。

2.失業を保険の受給期間に差がでる

退職後、失業保険を受給する場合に受給できる期間に大きな差がでてきます。

会社都合で退職し再就職がなかなかできない場合、最長で330日間失業保険を受給(条件によって異なる)することができます。それに対して自己都合の場合は、最長で150日と半分以下の期間しかもらうことができません。これは、受給できる金額として半分以下ということになります。

3.国民健康保険の軽減措置に差がでる

退職し会社で加入していた社会保険から国民健康保険に切り替える場合に差がでてきます。

社会保険は会社が半額負担してくれるので気にしていなかった人も多いかもしれませんが、国民健康保険に切り替えると全額自分で支払うことになるので、その金額に驚くことになります。

参照:退職後の健康保険は「任意継続」か「国民健康保険」どっちがお得?

退職し収入が無くなるのに多額の保険料の支払いを求められるのです。しかし、会社都合で退職した人は市役所の国保年金課に申請することで保険料を軽減してくれる場合があります。自己都合で退職した人も支払いが困難と判断された場合は減免されることもありますが、会社都合で退職した人と比べると圧倒的に不利になります。

4.住民税の減額・免除に差がでる

会社都合で退職した人は、市役所の住民課に申請すると住民税の減額や免除を受けられる場合があります。自己都合で退職した人も一定の条件を満たしていれば減額の対象となりますが、条件的には厳しくなります。