長所と短所から面接官は何を見ようとしているのか?それを知らないと良い印象を与える回答はできない!
長所は仕事と関係ないことだし、そもそも長所と言えるようなものでもない。短所は印象が悪くなるので言いたくもない。でも、無理やりに考えたウソでもいいのか?誰しもが面接対策として長所と短所を考えるときに思うことです。
このページではそういった点についてや、長所と短所の回答例を紹介していきます。
■目次
面接官が長所と短所を聞く意図とは?
長所と短所や「強み」や「弱み」に置き換えて言われることもありますが、面接で面接官が長所と短所を聞く目的は次の2点だと言われています。
聞く目的
- 自己分析ができているかどうか
- 仕事への適性を見極めるため
しかし、実際のところは面接官によっても違いはあり、単に気になる点が無いか程度しか見ない面接官も多いです。
短所と長所はその人と長い付き合いがなければ、本当のところは分かりません。そのため面接対策として面接用にだけ考えてくる応募者も多いのです。面接官もそのことは十分に把握しているので、応募者が話す長所と短所をそのまま信用せず、明らかにおかしな点や違和感の感じる点が無いかをチェックします。
長所と短所はウソを言ってもいいの?
前述した通り、短所と長所はその人と長い付き合いがなければ、本当のところは分かりません。では、ウソの長所や短所を話してもいいのか?
結論としては、ウソを推奨するわけではありませんが採用された場合、業務に直接影響を及ぼすウソや、明らかにウソと分かるものでなければ構いません。
長所や短所でよく出てくる表現として『リーダーシップがある』や『協調性がある』、『優柔不断』『あきらめが悪い』などがあります。しかし、これらの基準はすべて抽象的であり『リーダーシップがある』と言ってもその基準は人によって全く違ってくるので、たとえウソであってもウソにならないのです。
ただ、面接官は話の内容に『違和感を感じる点はないか?』というのも無意識のうちに見ています。たとえば長所で『明朗活発』と言っている人の話し方が小さい声でボソボソとしていたら違和感でしかないですよね。こういった点には注意が必要です。
長所と短所として話してもよい内容
面接で話す長所は『格闘ゲームが得意です』などのように業務に関連していないことを言っても意味がありません。短所に関しても『短気ですぐにカッします』と言ったように業務に差支えが出るような内容は敬遠されます。
では、どういった長所と短所が面接の場で使えるのか例をいくつか紹介したいと思います。
長所の22例
長所に使える22の例を紹介します。これらを面接で話すさいは必ず具体的なエピソードも含め根拠を持たせるようにしてください。
長所の22例
- リーダーシップがある
- コミュニケーション能力が高い
- 協調性がある
- 負けず嫌いである
- 向上心がある
- 継続した努力ができる
- 柔軟性がある
- 調整力がある
- 積極性・行動力がある
- 忍耐力がある
- 責任感が強い
- ポジティブにものを考えられる
- 計画性がある
- 几帳面である
- 論理的にものごとを考え判断ができる
- 主体性がある
- 真面目である
- 継続力がある
- 気配りができる
- 好奇心が旺盛である
- チャレンジ精神がある
- 素直である
短所の16例
面接官は短所が業務や会社に影響をおよぼさないかを気にします。短所を面接で話すさいは、短所をどのようにカバーもしくは改善しようとしているのかをあわせて話をするようにしてください。
短所の16例
- 我が強い
- 周囲に流されやすい
- マイペースである
- せっかちである
- 優柔不断である
- 計画性がない
- 自己主張が強い
- あきらめが悪い
- ものごとを抱え込みやすい
- ものごとを楽観的にとらえる
- 神経質である
- 心配性である
- 理屈っぽくなる
- 緊張しやすい
- 飽きっぽい
- おせっかいである
長所と短所は1つだけに絞る
面接で長所と短所を聞かれた場合は、それぞれ1つだけに絞って回答します。
短所をいくつも言う人はまずいないと思いますが、長所はアピールするために複数言いたくなりますよね。しかし、長所を伝えるときは信憑性を持たせるためになぜそれを長所と思っているのか必ず具体的な根拠と共に話をする必要があります。
複数の長所を言おうとすると、その分、具体例も複数話す必要があり話も長く、まとまりもなくなってしまいます。かと言って話を短くしようと具体例を簡潔にしてしまうと一つ一つの長所の印象も薄れてしまいます。
長所を一つに絞る場合は、最も社風に合いそうなものや仕事に役立つものを選びアピールすると印象的に良くなります。逆に短所を絞る場合は、短所はあるがそれを補うために心がけていることや取り組んでいることが言えるものを選ぶと良いかと思います。
長所と短所を話すときの話しの構成
長所と短所を話すときの話しの構成は次のように組み立てます。
長所の話しの構成
[結論]⇒[エピソード]⇒[どう活かすか?]
短所の話しの構成
[結論]⇒[どのように向き合っているか]
長所も短所もまずは「結論」から先に述べます。日本人は結論を後に話したがりますが、ビジネスシーンでは結論を先に言うのが基本です。
次に長所の場合は、自分がそれを長所だと感じている具体的なエピソードを話し信憑性を高めます。数値を盛り込んで話すとより信憑性が高まります。そして最後にその長所を採用されたら業務にどのように活かすのかを伝えてあなたの魅力をアピールします。
短所は、長所と違い具体的な例は不要です(上手くアピールできる場合は入れても構わない)。短所に対して自分はどのようにカバーしているのか?補っているのか?という点について話し、短所はあるが会社や業務には影響はありませんよということをアピールします。
短所を短所のまま終わらせては駄目
前章の「長所と短所を話すときの話しの構成」でも記載しましたが、短所を伝えてそのまま終わってはいけません。
必ず、「短所に対して自分はどのようにカバーしているのか?」、「どのように補っているのか?」という点まで伝え短所はあるが会社や業務には影響はありませんよということをアピールする必要があります。
「短所はありません」は自己分析が甘いと思われる
面接で短所を聞かれて「短所はありません」と回答すると、この人は自己分析ができない人だととられる可能性があります。短所が無い人はほぼいないからです。短所はどのように向き合っているかを上手に伝えることで面接官に対してアピールにもなるので、隠そうとする必要はありません。
しかし、聞かれてもいないのに自分からネガティブな話をする必要はありません。たとえば、「あなたはどんな性格ですか?」と聞かれた場合、あなたならどう回答しますか?
このような聞かれ方をした場合は、長所だけ回答すれば構いません。
長所と短所の質問集と回答例
以下のように長所と短所、2つの質問に分けましたが、実際の面接では「長所と短所を教えてください」と1つの質問で聞かれる場合が多いです。また、長所と短所は「強み」や「弱み」という言葉に置き換えて聞かれる場合もあります。
あなたの長所(強み)を教えてください。
「提案力」を長所としてアピールした例
段落ごとに「結論」⇒「エピソード」⇒「どう活かすのか?」と言う構成になっています。
私の長所は「提案力」があるところで、顧客と自社と双方のメリットを考えた提案をすることができます。
前職は営業で大手企業様から業務を受注する仕事を担当していました。同種の業務を受注しようとする競合他社も多く値引き競争になることもしばしばありました。しかし、値引き競争は顧客に対してメリットが大きい反面、自社のメリットは少なく営業利益にも大きく影響し、たとえ受注を勝ち取ったとしても関係が長続きしなくなってしまいます。そこで値引きは少ないが、それ以上に他社とは違う付加価値があることをアピールし双方がWin-Winとなる提案を心がけてきました。その結果、私が業務を受注した大手企業様とはすべて10年以上の長い取引が継続されていました。
このように双方のメリットを最大限に考えた提案力を御社でも活かし貢献していきたいと考えております。
あなたの短所(弱み)を教えてください。
「緊張しやすい」という点を短所とした場合の例
段落ごとに「結論」⇒「エピソード」⇒「どのように向き合っているか?」と言う構成になっています。「エピソード」は基本的には不要です。上手くアピールできる場合は、話に盛り込んでも構いません。
私の短所は「緊張しがち」という点で、緊張し過ぎるがあまり相手に話を上手く伝えられないことがあります。
前職では営業ということもあり、お客様の前で商品のプレゼンをする機会が度々ありました。しかし、緊張し話すべきことを忘れてしまったり、動揺して考えていることが上手く伝わらず失敗した苦い経験があります。
そこで緊張する場面があるときは事前に何度も繰り返し練習するように心がけています。繰り返し練習することで自信が持て、緊張を和らげることができます。また、たとえ緊張していたとしても伝え忘れなどのリスクを減らすことができます。
長所と短所のNG回答とは?
自分がたとえ長所と短所だと本当に思っていたとしても面接での回答として言うべきでない内容というのがあります。
面接官が面接で質問する意図は「面接官が長所と短所を聞く意図とは?」の章で記載した2点にあります。よって、その2点に関する以外の回答をしても何のアピールにもならないのです。具体的には次のような回答です。
長所のNG回答
●仕事とは無関係な長所
力仕事の人が「腕力が強い」、役者が「5秒以内で涙が出せます」というのであれば立派なアピール長所となりますが、営業志望の人であれば全く無関係な長所になりますよね?面接官も仕事に無関係な回答をされてしまうと「質問の意図がわかっているのだろうか?」、「理解力が乏しいのではないだろうか?」と見なします。
●企業が求める人材と相反する長所
たとえば企業側が「ものごとを慎重に判断し、周囲と協力して作業を進められる人」を求めているのに長所として「私はチャレンジ精神があり、何事にも積極的に行動することができます。」と言ってしまうと、企業側が求めている人材とずれてしまいます。長所であってもアピール材料にならないのです。長所を考えるさいは必ず企業が求めている人材はどういった人なのかを意識するようにしてください。
短所のNG回答
●仕事とは無関係な短所
「友達が少ない」、「好き嫌いが多い」、「歩くのが遅い」、こういった短所は仕事には無関係な短所ですよね。仕事に無関係な短所の方が会社に影響も与えないのでいいのではと思う人もいるかもしれませんが、これは単に質問の意図が理解できていないと思われ逆に印象が悪くなってしまいます。
短所によって仕事に少しの影響はあるかもしれませんが、『影響を出さないように○○○と言った努力をしています。』と言う流れで話した方が良い印象を与えることができアピールにもなります。
●企業が求める人材と相反する短所
短所によって仕事に少しの影響はあるが、『影響を出さないように○○○と言った努力をしています。』と言う流れで話した方が良いと先ほど記載しましたが、企業が求める人材と正反対の短所はリスクが大きいと判断されてしまう可能性があります。
たとえば、『常に世間にアンテナを張り最新技術の動向に目を向け自立的に技術を磨ける人』という人材を欲しがっている企業があるとします。IT系企業であれば特にこういった技術者は重宝されます。それに対して、面接で短所として『自分は向上心がありません』と言ったら、あとにどんだけその短所を補おうとしているかを伝えてもマイナス印象の方が大きくなってしまいます。
●会社にリスクを及ぼす短所
「すぐに切れてしまう」、「ウソを付く癖がある」、「仕事をさぼるくせがある」、こういった短所は会社にとって採用後のリスクが大きいためいくら「短所を補うために○○○をしています」と言ってもマイナス印象になってしまいます。
短所は短所でも好印象を与えアピールができる短所を選択するようにしてください。
おすすめの長所・短所の質問対策
長所と短所に関する質問をされた場合、長所はもちろんですが、短所も短所のまま終わらせず良い印象を与えるように伝えなければなりません。
しかし、日本人は謙虚な人が多くなかなか上手くアピールすることができません。
そこでおすすめなのが転職エージェントを利用する方法です。
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実際にどういったサポートをしてもらうことができるのか?そして、数ある転職エージェントの中でおすすめの転職エージェントはどこなのかと言った点を以下のページで詳しく解説しているので宜しければ参考にしてください。