会社を辞めるときに言う理由と言い方
『上司が嫌いだから会社を辞めます!』
会社を辞める理由が本当はこのような理由であってもなかなか本音の理由をそのまま言える人はいません。ましてや円満退職を望むならなおさらですよね。
そこでこのページでは会社を辞めるときに上司に伝える退職理由や、その切り出し方について解説しています。
■目次
会社を辞める理由は嘘を言っていいのか?
会社を辞める理由は嘘を言っても構いません。
嘘と言うと聞こえが悪いのですが、円満退職するために本音と建前を使い分ける人は実は非常に多いです。あるインターネット調査では会社を辞める人の約半数が本音とは違う建前の理由を言っているという結果になっています。
なぜ、そんなに建前の理由を言って会社を辞める人が多いのか?
それは、会社を辞める本当の理由が『待遇が悪い』『人間関係が嫌』『面白くない』『残業が多い』『休みが少ない』と言ったネガティブな理由の人が多いからです。『仕事が面白くないから辞めます』なんてなかなか言えないですよね。一部の人は『辞めてしまうのではっきりと言ってやろう』と強気で本音の理由を言う人もおられますが少数派です。
会社の今後のことを考えて悪い点ははっきりと伝えるべきか、円満退職するために建前の理由を言うべきかは難しいところですが、絶対については駄目な嘘というのがあります。
その嘘について次章に記載していきます。
嘘をつく場合の注意点
会社を辞める理由として絶対については駄目な嘘があります。
それは、会社都合になる理由を自己都合の理由に置き換えて言ってしまうことです。
例えば『パワハラにより精神的に追い詰められた結果の退職』『給与や待遇が契約内容と異なる』『残業過多が数カ月(3ヵ月)以上続いた』と言った本音の理由を『一身上の都合で』と言ったような建前の理由に置き換えて言うことです。
当然、ネガティブな理由なので言い出しにくい内容ですが、自己都合と会社都合では大きな差があり建前の理由を言って自己都合退職すると後々さらに自分自身を苦しめる結果になります。
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一時の勇気は必要ですが会社都合になる理由ははっきりと伝えるようにしてください。とは言え、『はっきりと言えないから会社を辞める決意した』という人も多いはず。そういった人は、証拠となるものを揃えておくようにしてください。
例えば、残業過多であれば勤務表のコピー、賃金関連であれば労働契約書や給料明細などです。これらの証拠を持って最寄りのハローワークで相談すると、自己都合退職しても後から会社都合退職に変えてもらえる場合があります。
会社を辞める時に言う理由
会社を辞める理由は、先述した通り絶対については駄目な嘘以外は、本音であろうが建前であろうが言って構いません。ただ、明らかに嘘と分かる理由やネガティブな理由はできる限り避け、円満退職できるようしましょう。
では、どういった理由が円満退職に効果的で、どういった理由がNGなのか?本音の理由も含めて紹介していきます。どういった理由で会社を辞めようか考えている人は参考にしてください。
会社を辞める理由(本音編)
会社を辞める決意に至った本音の理由の中でも割合の多い理由を紹介します。実際は、下記いずれか1つの理由で辞める決意に至った人だけではなく、複合的な理由で辞める決意をした人も多いです。
会社を辞める本音の理由
- 上司や同僚との人間関係が嫌
- 給与や待遇が悪い
- 休日出勤や残業が多い
- 頑張っても評価してもらえない
- 通勤時間が長い
- 職場の環境が悪い、重労働過ぎる
- 将来性がない
- 仕事が面白くない、やりがいを感じない
- 仕事をしたくない、遊びたい
どうでしょうか?ネガティブな理由ばかりですよね。ポジティブな考えで会社を辞める人は少ないのです。ただ、これらのネガティブな本音の理由を言ってしまうと円満退職につながらなくなる場合があります。
これらのネガティブ理由を持っている人は次に記載するポジティブな退職理由に変えることで上司も快く送り出してくれます。
会社を辞める理由(円満退職編)
では、実際にどういった退職理由であれば円満退職につながるのか?
ポジティブな会社を辞める理由としては以下のようなものがあります。
会社を辞めるポジティブ理由
- 自分の持っている知識・技術を更に特化させ、その分野に専念したい
- 自分の持っている知識と技術を活かして会社を立ち上げたい
- 新しい環境で新たな知識・技術を身に付けたい
- 将来○○を目指しているので、そのステップとして△△の業種に携わりたい
- 英語を身に付けたいので語学留学する
- 海外に興味があるので海外で仕事をしたい
- 自分が興味の持っている業務に携わりたい
- 自分が将来携わりたい仕事が見つかったので、それに向けた勉強や資格取得に時間を使いたい
ただ、これらのポジティブな理由は場合によっては、引き留めされる場合があります。たとえ、引き留めされてもしっかりと意思を伝えれば構わないのですが、辞め難くなってしまう場合もありますよね?
そう言った場合は、次章で記載する退職理由を使っても構いません。
引き留められる可能性があるときに言う退職理由
もう自分は会社を辞める意思を固めているので引き留められたくないという人は、以下のような個人的な事情を退職理由に含めることで会社側も引き留めづらくなります。
引き留められにくい退職理由
- 家業を継ぐことになりました
- 両親の介護が必要になってきたので、実家があるところに引っ越しする
- 旦那の転勤で引っ越しすることになりました
- このまま仕事を続けると肉体的、精神的に身体がもたないので、しばらく静養したい
- 結婚を考えており、今のままでは不安なので福利厚生、給与面で安心できるところに転職したい
- 結婚するので専業主婦(夫)になる
親身になって考えてくれる上司も多いですが、引き留めは基本的にその人本人のためではなく会社のために引き留めようとすることが多いです。
よって、もし引き留めされた場合は、親身に考えてくれているのか?それとも会社のために引き留めているのか?をしっかりと見極めるようにしてください。親身に考えてくれる上司の引き留めは、あなたの誤っているかもしれない考えを正してくれる最後のチャンスでもあるので、何が一番自分にとってメリットがあるのかという点を重視して決断するようにしてください。
会社を辞める理由(NG編)
会社を辞める理由として、言うべきではない理由をいくつかピックアップします。
言うべきでない退職理由
- 上司の○○が嫌いなので辞める
- 上司が短気すぎて常におびえながら仕事するのが嫌なので辞める
- 仕事量と給与・待遇のバランスがかけ離れている。いくら頑張っても給与があがらない
- ○○の上司がいる限り、自分は昇格できない
- 同僚ばかり昇格し、自分が正当に評価されていないように感じるので辞める
- 会社に将来性を感じない
- 仕事が面白くない、やりがいを感じない
これらの退職理由は、いずれも円満退職につながり難い理由なので、『会社を辞める理由(円満退職編)』で紹介したような理由に置き換えて伝えるのが良いかと思います。
ただ、『嘘をつく場合の注意点』の章でも記載しましたが、たとえネガティブな理由であってもしっかりと伝えないといけない場合があるという点は頭に入れておいてください。
会社を辞めたいことを伝える上手な切り出し方
Aさん:『少し、お時間を頂けますでしょうか?』
上司:『あぁ、いいよ』
Aさん:『○○の理由で、7月末で退職させて頂くことは可能でしょうか?』
上司:『あぁ、いいよ』
なかなか、こんなに率直に言える人は少ないし、あっさりとした上司もいませんよね。そこで、会社を辞めたいことを伝える上手な切り出し方について紹介したいと思います。
切り出すタイミング
まずは、会社を辞めたいことを伝えるタイミングです。
このタイミングは非常に重要で伝える相手が忙しい時やイライラしているときに言うと、さらにイライラ度が増して理由を執拗に問い詰められたり、真剣に考えてくれなかったりします。
以下のような時間と心にゆとりがあるときに伝えるようにしてください。
退職を伝えるタイミング
- 業務終了後
- 昼休みや休憩中
- 目標設定の面談時
- 会議が終わった後
- 飲み会の席
- プライベートな付き合いがある場合はそういった場
- 帰宅途中
もう少し、広義な意味でどういった時期に辞めることを伝えるのがいいかについては、以下のページで詳しく解説しています。
切り出し方
最も良い切り出し方は、いきなり決定事項を言うのではなく相談として切り出す方法です。心の中ではすでに辞めることを決意していても、まずは相談ベースで話をすることで上司も親身になって話を聞いてくれます。
この時点で上司がしっかりと相談にのってくれ、退職したい考えに納得してもらうことができれば、それ以降の退職に向けた準備や引継ぎ、進め方にも積極的に協力しアドバイスしてもらえるので、退職するまでスムーズに事が進みます。
切り出す相手を間違えないようにする
会社を辞めたいことを伝える相手を間違えないようにしてください。間違えると『なんで言ってくれなかったの?』『聞いてないよ!』『俺を嫌ってるの?』といったような不快な気持ちにさせ、円満退職ができなくなります。
伝える相手は基本的には直属の上司です。
人事に直接辞表を出すこともありますが、そうなると上司にとっては先述した『なんで言ってくれなかったの?』『聞いてないよ!』『俺を嫌ってるの?』となるので、通常は人事に直接出すようなことはしません。
ただ、直属の上司といっても誰が直属になるのかわからないという場合があります。例えば次のようなときです。
上記の例で言うと直属の上司は『指導してくれる先輩』ではなく『仕事の指示を出す課長』になります。直属の上司とは自分に直接仕事の指示を出す人です。
先輩は仕事に対する指導やアドバイスをしてくれますが、仕事を渡してくるのは課長なので先輩は直属の上司ではありません。退職された場合、仕事の調整や分担をするのは課長なので課長に伝える必要があります。ただ、上記の例であれば先輩も含めて退職の相談をするのが一番円満退職につながります。
補足として、もし課長が自分に直接仕事の指示をだすのではなく、まずは先輩に仕事が渡され、その先輩がメンバーに仕事を割り振る場合は直属の上司は先輩になります。会社や所属している部署の規模などによっても変わる場合がありますが、あくまで自分に仕事を渡す人、指示を出す人がだれなのか?という点で判断すればよいかと思います。
退職を自分で言い出せない場合は退職代行を利用してもいい!
退職したいことをどうしても上司に言い出せない、もしくは退職したいことを伝えても引き延ばしされて辞められないという人は『退職代行サービス』の利用も検討してみてください。
退職代行サービスは、最近メディアに露出する機会も増え利用者が急増しています。まだまだ『自分の退職くらい自分でやれよ』、『最後くらいきれいに終われよ』といった考えを持った人も多いですが、退職代行サービスは、決して悪いサービスではありません。
退職代行サービスがどういったサービスなのか?どういったメリットやデメリットがあるのか?そして気になる料金などを以下のページにまとめているので宜しければ参考にしてください。
面接で退職理由を聞かれたときのことも考えておく
退職時に伝える退職理由と転職活動の面接で退職理由を聞かれたときの理由を必ずしも一致させる必要はありません。
退職時は『上司が嫌いだから会社を辞めます!』と言ったとしても転職活動の面接で同じ理由をそのまま述べるとまず不採用となってしまいます。ネガティブな退職理由は面接ではできる限りポジティブな内容に置き換えるようにしてください。
面接官に伝える退職理由がどうしてもよい内容が思いつかない、本当にこの理由でいいのかと悩むようであれば、転職エージェントのコンサルタントを利用してみてください。
転職エージェントのコンサルタントは、面接対策だけではなく転職に関するさまざまなアドバイスやサポートを完全無料で行ってくれます。
以下のページで実際にどういったサポートをしてくれるのか?そして、数ある転職エージェントの中でおすすめはどこなのかについて解説しているので宜しければ参考にしてください。