失業保険の受給期間延長の解除方法

失業保険の延長を解除する方法と、解除後して受給再開までの流れを徹底解説!

延長解除というと失業保険の受給を止めるような印象を受けますが、全くの逆で延長解除とは一時的にストップさせていた受給を再開させるための手続きです。

失業保険の延長を解除した場合、解除後に『扶養を外れるべきなのか?』、『待期期間や給付制限があるのか?』など解除方法だけではなく解除した後の流れについても疑問を持っている人は多いと思います。

そこで、このページでは失業保険の延長解除から受給再開するまでの流れについて解説していきます。

解除手続きをしてから受給が再開されるまでの流れ

失業保険の延長を解除したあと、実際に受給が再開されるまでどういった流れで進むのか?

これは、どの時点で延長手続きを行ったかによって異なってきます。

本来、失業保険は受給開始まで以下のような流れで進んでいきます。あなたは①~⑥のどの時点で延長手続きを行いましたか?

失業保険受給までの流れ

これらの各ステップは期間を延長したからといって省略されることはなく、基本的には全ステップを通過する必要があります。よって、延長解除した後、未通過のステップがある場合、そのステップを実施しなければなりません。

少し例外的な流れもあるので、①~⑥の各ポイントで延長手続きした場合、解除後どういった流れになるのかについて解説しておきます。

まずは、上の図で自分がどのポイントで延長手続きをしたのかをご確認ください。

①のポイントで延長手続きをした場合の解除後の流れ

結婚や妊娠で退職してこのタイミングで延長手続きをする人は多いかと思います。

このタイミングで延長手続きをした場合、失業保険受給開始に向けて下記の4つのステップがまだ未完了の状態になります。

未完了の4ステップ

  1. 求職の申し込み・受給資格の決定
  2. 待期期間(7日間)
  3. 雇用保険説明会
  4. 給付制限(3ヶ月)

では、延長を解除した後、これらすべてが必要になるかというとそういうわけではありません。

1.『求職の申し込み・受給資格の決定』について

延長解除後に求職の申し込みと受給資格の決定が行われる。

受給期間の延長の申し込みをするさいに受給資格があるかの確認は行われますが、延長解除後に正式に求職の申し込みと受給資格の決定が行われます。とは言え、解除申請するその日の内にすべて完了するので日をまたいで時間がかかるといったことは一切ありません。

2.『待期期間(7日間)』について

延長解除後に7日間の待期期間は発生します。

待期期間は失業状態であることの確認や事務処理の期間として必要で、自己都合退職者、会社都合退職者関係なく必要な期間となっています。

3.『雇用保険説明会』について

延長解除後に雇用保険説明会に出席に必要があります。

雇用保険説明会の日時は延長解除後の求職申込みするさいにハローワークの職員から伝えられます。

4.『給付制限(3ヶ月)』について

延長期間の長さによって必要有無が分かれる。

受給期間の延長手続きをした時点から給付制限のカウントは開始されています。よって、延長期間が3ヵ月以上あれば給付制限も3ヵ月が過ぎたことになり、延長解除後に給付制限は発生しません。延長期間が3ヵ月未満の場合は、その満たない期間分だけ給付制限期間が発生します。

ただし、会社都合で退職した人や自己都合退職者でも妊娠や出産、親族の介護などやむを得ない理由の退職は「特定理由離職者」という扱いになり、もともと給付制限はありません。離職理由別の給付制限有無に関しては、以下のページをご覧ください。

離職理由コード一覧 ~コード別の内容と給付制限について~

まとめると以下のようになります。

延長解除後に必要な作業

②のポイントで延長手続きをした場合の解除後の流れ

求職の申し込みが終わり待期期間中に受給期間の延長をする場合です。

このタイミングで延長手続きをする人は少ないと思いますが、この時点で失業保険受給開始までに残っているステップは以下の3つです。『求職の申し込み』と『受給資格の決定』は既に完了しているので、延長解除後に再度行うことはありません。

未完了の3ステップ

  1. 待期期間(7日間)
  2. 雇用保険説明会
  3. 給付制限(3ヶ月)

1.『待期期間(7日間)』について

延長解除後に待期期間は発生します。

待期期間は少しややこしく、7日間で満了なのですが初回失業認定を受けるまでは待期期間が完了したことになりません。

今回のケースは待期期間中に延長手続きをした場合なので、待期期間の一部は既に終えていることになりますが、初回失業認定はまだ受けていないので延長解除後に再度発生します。

2.『雇用保険説明会』について

延長解除後に雇用保険説明会に出席に必要があります。

雇用保険説明会の日時は求職申込みをしたさいに伝えられているはずですが、延長により受講できなかったので延長解除後に職員から再度日時が伝えられます。

3.『給付制限(3ヶ月)』について

延長期間の長さによって必要有無が分かれる。

受給期間の延長申請をした時点から給付制限は開始されています。よって、延長期間が3ヵ月以上あれば給付制限も終了したことになり、延長解除後は3ヵ月の給付制限は発生しません。延長期間が3ヵ月未満の場合は、その満たない期間分だけ給付制限期間が発生します。

ただし、会社都合で退職した人や自己都合退職者でも妊娠や出産、親族の介護などやむを得ない理由の退職は「特定理由離職者」という扱いになり、もともと給付制限はありません。離職理由別の給付制限有無に関しては、以下のページをご覧ください。

離職理由コード一覧 ~コード別の内容と給付制限について~

まとめると下表のようになります。

延長解除後に必要な作業

③のポイントで延長手続きをした場合の解除後の流れ

待期期間が修了した直後くらいに受給期間の延長を行った場合です。

待期期間は満了しているのですが、初回失業認定を受けるまでは待期期間が終えた扱いにはなりません。よって、延長解除後は待期期間から必要となり、流れとしては『②のポイントで延長手続きをした場合の解除後の流れ』と同じになります。

まとめだけ記載しておきます。流れの詳細を確認したい場合は、『②のポイントで延長手続きをした場合の解除後の流れ』の章をご覧ください。

延長解除後に必要な作業

④のポイントで延長手続きをした場合の解除後の流れ

3ヶ月の給付制限がない方で雇用保険説明会を終えた後に受給期間の延長を行った場合です。

待期期間は既に終了しているので延長解除後に再度必要ないように思いますが、待期期間は初回失業認定を終えて初めて経過した扱いになります。そのため7日間の待期期間は延長解除後に再度発生します。雇用保険説明会は既に終えているので延長解除後に再度受講する必要はありません。

まとめると下表のようになります。

延長解除後に必要な作業

⑤のポイントで延長手続きをした場合の解除後の流れ

給付制限がある自己都合退職者で3ヶ月の給付制限中に延長手続きを行った人です。

受給開始までには大きく分けて以下の4つのステップがあり、これらの各ステップが延長解除後に必要かどうかについて解説していきます。

受給開始までの4ステップ

  1. 求職の申し込み・受給資格の決定
  2. 待期期間(7日間)
  3. 雇用保険説明会
  4. 給付制限(3ヶ月)

1.『求職の申し込み・受給資格の決定』について

必要なし。

既に終わっているので延長解除後に再度行う必要はありません。

2.『待期期間(7日間)』について

初回失業認定前の場合は必要。

初回失業認定を終えていた場合は、延長解除後に再度行う必要はありません。しかし、初回失業認定を終えていない場合は、延長解除後に再度行う必要があります。

3.『雇用保険説明会』について

必要なし。

既に終わっているので延長解除後に再度行う必要はありません。

4.『給付制限(3ヶ月)』について

延長期間の長さによって必要有無が分かれる。

受給期間の延長申請をした時点から給付制限は開始されています。よって、延長期間が3ヵ月以上あれば給付制限も終了したことになり、延長解除後は3ヵ月の給付制限は発生しません。延長期間が3ヵ月未満の場合は、その満たない期間分だけ給付制限期間が発生します。

ただし、会社都合で退職した人や自己都合退職者でも妊娠や出産、親族の介護などやむを得ない理由の退職は「特定理由離職者」という扱いになり、もともと給付制限はありません。離職理由別の給付制限有無に関しては、以下のページをご覧ください。

離職理由コード一覧 ~コード別の内容と給付制限について~

まとめると以下のようになります。

延長解除後に必要な作業

⑥のポイントで延長手続きをした場合の解除後の流れ

失業保険の受給開始中に延長手続きを行った場合です。

この場合は、延長解除後ただちに失業保険受給対象期間となり、待期期間や給付制限などが再度発生するといったことはありません。

延長解除後に必要な作業

失業保険の延長を解除する方法

失業保険の延長を解除する方法は、延長手続きをした管轄のハローワークで解除申請するだけです。

延長手続きのときは郵送や代理人による申請でも構わなかったのですが、延長解除は自分自身で直接ハローワークに行って手続きをする必要があります。持ち物等がいくつかあるので、その点について解説しておきます。

解除手続きに必要なもの

受給期間延長を解除するさいに必要な持ち物は以下のものです。

解除手続きに必要な持ち物

  1. 受給期間延長通知書
  2. 離職票1・2の2枚
  3. 雇用保険受給資格者証
  4. ハローワークカード
  5. 写真2枚
  6. 印鑑
  7. 銀行口座(郵便口座でも可)
  8. 身分証明書(免許証やパスポートなど)
  9. 個人番号が確認できる書類(マイナンバーカードや通知カードなど)
  10. 働くことができることを証明できるもの(母子手帳や傷病証明書など)

すごく持ち物が多いですが、全て必要なわけではありません。解除手続きをしてから受給が再開されるまでの流れ』の章でも少し記載しましたが、どの時点で延長手続きを行ったかによって、解除手続きで必要な持ち物が若干変わってきます。

以下に簡単に解説しておきますが、解除手続きに行く前に管轄のハローワークに直接電話で問い合わせて確認することをおすすめします。管轄のハローワークの問い合わせ先は下記リンク先の厚生労働省のページで確認することができます。

全国ハローワークの所在案内(厚生労働省)

1.受給期間延長通知書

必須です。

延長手続きを行ったさいに発行してもらっている通知書です。

2.離職票1・2の2枚

必須な場合あり。

延長手続きを行ったとき、すでに求職申込みが終わっていれば不要です。その代わり、求職申込みが終わっていれば、『雇用保険受給資格者証』と『ハローワークカード』が発行されているはずなので、この2点を持って行くようにしてください。

3.雇用保険受給資格者証

必須な場合あり。

退職と同時に受給期間の延長を行った場合、求職申込みが終わっていないのでこの『雇用保険受給資格者証』はまだ手元にないはずです。その場合は、『離職票1・2』の2枚を持って行くようにしてください。

4.ハローワークカード

必須な場合あり。

退職と同時に受給期間の延長を行った場合、求職申込みが終わっていないのでこの『ハローワークカード』はまだ手元にないはずです。その場合は不要です。

5.写真2枚

必須な場合あり。

写真は求職申込みを行い『雇用保険受給資格者証』を作成するときに使われます。延長手続きを行ったときすでに求職申込みは終わり『雇用保険受給資格者証』を持っている人は不要です。ただし、念のため管轄のハローワークで確認することをおすすめします。

6.印鑑

必須です。

手続きに必要なので持って行くようにしてください。

7.銀行口座(郵便口座でも可)

必須な場合あり。

延長解除時に求職申込みを行い失業保険の振込先を記載するさいに利用します。しかし、延長手続きを行ったとき既に求職申込みを終えていた人は不要です。ただし、念のため管轄のハローワークで確認することをおすすめします。

8.身分証明書(免許証やパスポートなど)

必須です。

確認されるので顔写真が貼られている身分証明書を持って行くようにしてください。次に記載するマイナンバーカードも身分証明書になるので、マイナンバーカードを持って行く人は不要です。ただし、顔写真のない通知カードは不可です。

9.個人番号が確認できる書類(マイナンバーカードや通知カードなど)

必須な場合あり。

求職申込みを行なうさいに個人番号の確認できる書類が必須となっています。延長手続きを行ったとき既に求職申込みを終えている人は不要です。個人番号が確認できる書類としては、『マイナンバーカード』、『通知カード』、『個人番号の記載のある住民票(住民票記載事項証明書)』の3つがあります。

10.働くことができることを証明できるもの(母子手帳や傷病証明書など)

必須です。

受給期間を延長した理由として『出産』や『妊娠』、『ケガ』、『病気』などがあると思います。こういった延長理由が解消され現在働くことができる状態になりましたと証明できるものが必要です。

『出産』や『妊娠』の場合は母子手帳、『ケガ』や『病気』などの場合は、病院で発行してくれる傷病証明書などが該当します。

自分のケースのときどういったものが必要になるか分からないという人は、管轄のハローワークに問い合わせてください。

解除手続きは委任ができない

延長手続きは郵送や代理人に委任すること可能でしたが、解除手続きは郵送も代理人に委任することも不可となっています。

延長を解除するということは働ける状態にあるということなので、自分自身で出向いて手続きできるでしょということだと思います。

失業保険の延長を解除するタイミングは?

失業保険の延長を解除するタイミングは、自分が今すぐにでも働けると判断したときです。

妊娠中であっても出産直後であってもケガが完治していない状態でも構いません。どのタイミングで解除した方が得というようなこともありません。働けるか働けないかの判断は自分自身しか分からないため基本的には解除手続きを却下されることはまずありません。

しかし、解除手続きに必要な持ち物の一つとして『働くことができることを証明できるもの』があります。明らかに働くことが困難な状態なのに失業保険の受給を目的とした解除は却下される可能性があります。

入っていた扶養は外れる必要があるのか?

受給期間を延長している間は収入がないため親族の扶養に入る方も多いと思います。しかし、心配なのが受給期間の延長を解除し失業保険の受給を開始する場合、扶養から外れなければならないのかという点です。

結論としては、以下の通りです。

結論

  • 給付制限中は外れる必要はない
  • 失業保険の受給額が日額3,611円以下の人は受給中でも外れる必要はない
  • 失業保険の受給額が日額3,612円以上の人は加入している社会保険(健康保険)組合によって異なる

ここで問題になるのが受給額が3,612円以上の人ですよね。

ご存知だと思いますが、扶養条件の1つとして年間収入が130万円未満というのがあります。これは、給与所得の場合だと月額108,334円以上、失業保険の受給者の場合であれば日額3,612円以上受給している人が該当します。

そして、扶養を外れるタイミングは年間収入が130万円を超えた時点ではなく超える見込みと判断した時点となっており、上記の金額以上をもらっている時点で外れる必要があります。

しかし、ここで疑問が一つ湧いてきます。

たしかに1年間受給し続ければ130万円超えるけど、給付日数が少ないので年間で130万円は超えないという場合です。

延長解除で扶養を外れる必要性

こう言った場合は、加入している社会保険(健康保険)組合によってダメというところもあれば、構わないというところもあるので加入している社会保険(健康保険)組合に確認するようにしてください。

協会けんぽの場合は、『雇用保険受給者は、日額3,611円以下であること』と定められています。


さて、失業保険の延長解除したら次はいよいよ本格的に転職活動開始です!

以下に全国各地の良質な求人が多く掲載されたおすすめの転職サイトを紹介しているので転職活動を行うさいに上手に活用してください。

では、転職成功を目指して頑張ってください!