『給料』と『給与』を同じように使っている人が多いですが、実は意味が異なるのを知ってましたか?
転職面接で『希望の給与はどのくらいですか?』と聞かれた場合、あなたはどのくらいの額を提示しますか?
『給料』と『給与』の意味を正しく理解していないと、実際にお給料をもらったとき、『えっ!?希望額よりも全然少ない!』となる可能性があります。
このページでは『給料』と『給与』、『手取り』の違いについて解説しているので、これらの違いをこの機会に覚えておいてください。
給料と給与、手取りの違い
給料と給与、手取りの違い
- 給料(基本給)
- 給与(総支給額)
- 手取り(総支給額-税金)
特に詳しい解説は不要だと思いますが、もう少しだけ詳しく解説しておきます。
給料とは?
給料とは、正規の『勤務時間』と『稼働日数』に対する報酬を意味します。いわゆる基本給です。
ここで言う正規の勤務時間とは、定時時間のことで会社によって8時間であったり、7時間45分であったり違いはあります。次に正規の稼働日数とは、その月の日数から休日数を引いた日数のことです。月によって日数や休日数が異なるので正規稼働日数は月によって異なってきます。
給料(基本給)とは上記の勤務時間と稼働日数に対する報酬です。
よく勘違いされる方がおられるのですが、『自分は月給制だから風邪で1日休んでも給料(基本給)がもらえる』と思っている人がいます。しかし、風邪で1日休むと本来の正規稼働日数が1日不足することになり減給となります。遅刻で正規の勤務時間を満たせなくなった場合も同様です。
それを避けるために皆さんは有給を利用します。
給与とは?
給与とは総支給額を意味します。
総支給額には基本給である給料のほかに残業代や交通費、ボーナス、その他手当関連などさまざまなものが含まれます。
また、まれに会社が不景気でボーナスを現金の代わりに現物支給する会社もあります。そういった現物支給の場合も金額換算され総支給額に含まれる場合があります。
手取りとは?
手取りとは、給与(総支給額)から社会保険料や住民税、所得税などが天引きされ最終的に自分の手元に入ってきたお金のことを意味します。
月給と月収の違い
月給と月収の違い
- 月給(基本給+固定手当)
- 月収(総支給額)
給料や給与と似た意味を持つ『月給』と『月収』というのもありますよね。
給料、給与、月給、月収、それぞれ区別せず使っている人も多いと思います。しかし、給料と給与の違いは前述した通りですが、月給と月収もまた意味が異なります。
月給とは?
月給とは基本給に固定手当を加えた金額を意味します。
では、ここで言う固定手当とは何なのか?
固定手当とは、役職手当や家族手当、住宅手当、交通費など月によって金額が変動しない手当のことです。(交通費は変動手当として扱われる場合もあります。)
月収とは?
月収とは月給に変動手当を加えた金額を意味します。言い換えると給与(総支給額)に該当します。
変動手当とは、残業代や休出手当、皆勤手当など月によって替わる手当のことです。
月収にはボーナスも含まれます。しかし、ボーナスは毎月入るわけではないので一般的に月収と言うと平均月収のことを意味し、ボーナスも含めた年収を12ヵ月で割った額を指すことが多いです。
違いを知らないとどういった問題が起きる?
転職時に起き得る問題として、給与の交渉をするさいに認識のずれが発生する可能性があります。
たとえば、中途採用の面接では面接官が『希望の年収(月収、月給、給与、給料)はどのくらいですか?』と聞いてくることがあります。年収、月収、月給、給与、給料のどれで聞いてくるかは面接官次第です。
起き得る問題の例
あなたが残業など除いた基本給として20万円欲しいと考えている場合を例とします。
希望の給与はどのくらいですか?
20万円です!
そして、給料日・・・
え~基本給が15万円しかない!
総支給額が20万円・・・
内訳は以下のようになっていたのです。
- 基本給 15万円
- 交通費 3万円
- 各種手当 2万円
- 合計 20万円
少し極端な例になりますが、このようなことが起き得る可能があるということです。もし、面接の場で賃金交渉をする場合はこういった認識のずれが発生しないように気を付けるようにしてください。
面接で賃金交渉をする場合の上手なやり方については以下のページにも記載しているので宜しければ参考にしてください。