転職回数が多い場合は必ず面接官は疑問に感じる!
過去に転職を繰り返していると面接官は当然、その理由が知りたくなります。なぜなら、採用してもすぐにまた退職される可能性があるからです。それ以外にも人物的にも問題があるかもしれないと考えるからです。
このページでは、面接で転職回数が多い点について聞かれた場合の回答方法や、どれくらいの回数転職を繰り返していたら疑問に思われるかなど、転職を複数回繰り返している人のために役立つ情報をまとめています。
■目次
面接官が転職回数の多い人に持つ印象とは?
面接官は転職回数の多い人に対してどういった印象を持つのか?
やはり、悪い印象しか持たれないのか?
表向きは問題視しないという面接官は多いが、実際のところはほとんどの面接官が悪い印象を持っている
これが現実なところです。面接官も転職回数が多いと『不採用にする』『マイナス評価にする』というようなことを大っぴらに言えないため、世間的には次のようなことをよく言います。
- 理由がしっかりしていればマイナス評価にはなりません。
- 先入観を持たずに目的意識が明確化で判断する。
- 回数に関係なく優れたスキルを持っていれば採用します。
確かに本当にこのように考えている面接官もおられると思います。しかし、ほとんどの面接官は転職回数が多い人に対して以下のような印象をもっています。
- 入社してもまたすぐに辞められてしまうのでは?
- 仕事に対する意欲がない人なのでは?
- 根気や忍耐力のない人なのでは?
このように転職回数が多い人が転職に不利になるのは間違いありません。欧米諸国の場合は、転職に対する考え方が違うため回数が多くても悪い印象にはなり難いのですが、残念ながら日本はまだまだ悪い印象を持つ企業の方が圧倒的に多いです。
とは言え、諦める必要もありません。
しっかりと面接対策を行い、自分を正しくアピールすることでマイナス評価を減らし総合的な判断でライバルに勝ち採用されるケースもたくさんあります。
このページではマイナス評価を減らすための回答方法なども記載しているので、是非、最後まで一読して参考にしてください。
転職回数が多くても積極的に採用する企業もある
転職回数が多い人に対して悪いイメージを持つ企業が多いのは間違いありません。しかし、悪いイメージを持っていても積極的に採用する企業もあります。
それはどういった企業なのか?
企業が転職回数の多い人を嫌がる一番の理由は、『入社してもまたすぐに辞められてしまう可能性がある』からです。すぐに辞められてしまうと、企業側に次の5つのデメリットがあるのです。
5つのデメリット
- 採用するまでにかかった工数(コスト)が無駄になる
- 採用して育成にかかった工数(コスト)が無駄になる
- 辞められた後、再び人員が不足して現場に負荷がかかる
- 再び人を採用するための工数(コスト)が必要になる
- 再び採用した人を育成する工数(コスト)が必要になる
しかし、高いスキルを必要としない企業、どういった人でも即戦力になりやすい職種の会社は転職回数が多くても積極的に採用するところが多いです。一つの目安としては、アルバイトやパート従業員を多く採用している企業にはそういったところが多いです。
ただ、こういった企業はどうしても給与など条件面が悪くなるケースが多く結果的にまた転職を繰り返す可能性も高まります。
転職回数が多いからと言って諦めずにしっかりと、求める条件を満たした企業に内定がもらえるように面接対策を行なうようにしてください。
面接官が転職回数が多いと思う回数は何回から?
転職回数が多く面接官にマイナスイメージを持たれるのは何回目からなのか?
これは転職の間隔によって異なります。
20代前半の社会人になって間もない人が転職を2回もしていると多いと思われますが、50代の人が30代で1回目、50代で2回目の転職だったらあまり何とも思われません。しかし、50代になってから2回転職しているのであれば疑問に思われます。
このように転職回数だけではなく、その間隔によっても印象は大きく変わるのです。
では、なぜ転職期間の間隔が重要なのか?
企業が転職者、いわゆる中途採用者に求めるのは即戦力です。
前職で身に付けた経験や技術、スキルを使って即戦力となってくれる人を求めているのです。しかし、転職間隔が短いとそれらの経験、技術、スキルは身についていないと判断されます。
では具体的にどのくらいの間隔だと短く、何回だと多いと思われるのか?
目安間隔は、10年以下です。
大卒後22歳で始めて就職した人であれば、以下の年齢と回数であれば許容範囲になります。しかし、以下の年齢よりも転職が早かったり、回数が多かったら印象的には悪くなる可能性が高いです。
転職許容年齢と回数
- 32歳で1回目の転職
- 42歳で2回目の転職
- 52歳で3回目の転職
- 62歳で4回目の転職
ただ、例外的な要素もあります。上記の例であれば20歳代で転職をすると印象が悪くなるということになります。
確かに印象的には10年も働かずして転職するので良くはありませんが、初めての就職で期待と違った部分があったり、社会人になって色々と気付く部分がでてくることも多く、そういった面を考慮される場合もあります。また、それ以上にまだ新社会人と大きく変わらない年齢なので新卒者と同じような扱いで採用することもできます。
逆に62歳で4回目の転職はたとえ、32歳、42歳、52歳、62歳と10年間隔で転職していたとしても定年までの期間が短いため、よほどの即戦力となる高いスキルがないと厳しい面もあります。
履歴書や職務経歴書に一部の職歴を隠しも大丈夫?
転職回数が多いのを隠すために職歴の一部を履歴書や職務経歴書に書かず隠してもいいのか?
バレた場合、経歴詐称や懲戒免職にならないのか?
これは判断が難しく隠し方によっても問題になる隠し方と問題にならない隠し方があります。実際に例を挙げて解説したいと思います。
一部の職歴を隠す例
一部の職歴を隠す例
転職を3回繰り返し、その内、2回目は短期で辞めたのでなかったことにし、履歴書や職務経歴書には1回目と3回目の転職しか記載しない。
上記のように転職2回目の職歴を伏せておいた場合は、まずバレることもないし、単に記載していないだけなので経歴詐称にも当たりません。よって、後から問題になるようなことはありませんが、面接官に空白の2ヵ月間何をしていたのか疑問に持たれる可能性はあります。
しかし、上記のケースのように前職よりも前のことで、さらに8年以上も前の話しになるのでまず聞かれることもないでしょう。
ただ、2ヵ月の空白期間も隠したいという理由で以下のようにC社の勤続期間に合算してしまうと、経歴詐称になるのでバレるバレない以前にやらないようにしてください。
バレるかバレないかというとA社に合算した場合はまずバレることはありませんが、C社に合算した場合はバレる可能性があります。採用された場合、雇用保険被保険者証を提出することになるのですが、雇用保険被保険者証の資格取得年月日などからバレる可能性はあります。
転職回数が多い理由を聞かれた場合の回答方法
転職回数が多い理由を聞かれた場合の回答を考えるポイントとしては以下の6点があります。これらの6つのポイントを回答に盛り込みながら伝えることで、マイナス印象を最小限に抑えることができます。
正しい回答をするためのポイント
- 転職回数が多くても「この人は欲しい!」と思わせるように自分の魅力を伝える
- 多くの会社でつちかった経験や技術が応募している企業にも役立つことを伝える
- 無駄な転職ではなくキャリアアップやキャリアチェンジのための転職だったことを伝える
- 転職が多い理由を会社のせいにしない
- 反省すべき点がある場合は、素直に反省して改善する気を見せる
- 今後はこれまでのように転職を繰り返すつもりはないという点を伝える
ポジティブな理由で転職を繰り返している人の回答ポイント
ポジティブな理由で転職回数が多い人はほとんどいないのではないでしょうか?やはり、何らかの不満があったから退職をするわけであり、不満がなければ退職をしませんよね?
しかし、キャリアアップを目的として本当にポジティブな理由で転職回数が多い人もおられます。そういった人が面接で転職回数が多い理由を聞かれた場合は、素直にそのままの理由を伝えるだけで構いません。
前述した『正しい回答をするためのポイント』の1.~3.を意識して回答を考えるようにしてください。
しかし、ここで注意すべき点があります。
世の中にはネガティブな理由で転職回数が多い人の方が圧倒的多数であり、ポジティブな理由で転職を繰り返す人は少数派です。そのため、面接官は転職回数の多い人に対して常にこの人はネガティブな理由を隠し持っているだろうという目で見ます。たとえあなたが本当にポジティブな理由で転職を繰り返していてもです。
そこで回答内容と同等に重要になってくるのが『話し方』です。話し方については、『話し方でも印象は変わる』の章で解説しているので宜しければ参考にしてください。
ネガティブな理由で転職を繰り返している人の回答ポイント【必見】
ネガティブな理由で転職を繰り返している人は非常に多いと思います。よって、この章は特に詳しく面接官の心理的な面も踏まえ解説するので最後までしっかりと一読ください。
ネガティブな理由で転職回数が多くなっている人がその理由を面接で聞かれた場合、回答方法としては以下の2通りがあります。
2つの回答方法
- ポジティブな転職理由に置き換えて伝える
- ネガティブな理由を反省し、改善する旨とともに伝える
一般的に良く推奨されるのは前者の『ポジティブな転職理由に置き換えて伝える』です。しかし、面接官の多くは転職回数が多い人は必ず何らかのネガティブな理由がある思い込んでいます。
よって、ポジティブな理由を述べたところで信じてもらえないというのが実際のところです。
更に面接官はこれまでの人生経験で『人の話し方』や『顔つき』、『表情』、『態度』、『服の着こなし』、『髪型』などからある程度、その人が仕事ができる人かどうかというのが想像できます。これは面接官に限らずみんなが持っている能力です。あなたも見知らぬ人を見て『あの人は仕事ができそうだ』『あの人は絶対仕事ができなさそうだ』とある程度想像できますよね?
よって、当サイトJOBHUNTINGでは『ネガティブな理由を反省し、改善する旨とともに伝える』という回答の方を推奨しています。
面接官になった気持ちで考えて頂きたいのですが、面接官が転職回数が多い理由を聞いて感じることとしては次の4点があります。
【転職理由を聞いて面接官が思う気持ち】
- 彼はポジティブな理由で積極的に頑張ろうとしているな!
- 彼はウソの理由をついているな!
- 彼は過去に失敗をしているが反省をし、前向きに頑張ろうとしているな!
- 彼のネガティブな理由は、今後も繰り返されるだろうな
しかし、前述した通り1のように感じてもらえるのはよほどしっかりとした理由と、あなた自身の面接官に与える印象が重要になり、ネガティブな理由を持っている人には非常に難しいです。
そして、結果的に2の『彼はウソの理由をついているな!』に思われてしまうのです。2と4のように思われてしまうと、マイナス印象は免れません。
3のように過去の失敗に対し反省と改善をし、前向きに頑張ろうという意思を伝える方が印象が良くなるのです。
過去の失敗事象を伝える場合の注意点
過去の失敗に対し反省と改善をし、前向きに頑張ろうという意思を伝える回答方法を推奨しましたが、注意点もあります。
失敗事象を何でも言っていいというわけではない
理由によっては、後から何を言ってもカバーしきれないものがあるのです。それは以下の2点です。
言うべきでない退職理由
- 会社の悪口を言う
- 上司や同僚、人間関係の悪口を言う
実際は、人間関係や会社の待遇が嫌で転職を繰り返す人は多いと思います。しかし、それに対して悪口を言うと面接官はどう感じるでしょうか?
『この人は自分自身が改善する努力をせず、陰でこそこそ人や会社の悪口を言う人だ。我が社に入っても裏で陰口を言うだろう。』
まず、間違いなくこのように思うでしょう。
では、会社の待遇や人間関係が嫌で転職を繰り返した人はどのような回答をすればいいのでしょうか?
それを次章の正しい回答例で紹介していきます。
正しい回答例
以下の人物像を例として面接で転職回数が多い理由を聞かれたときの回答例を紹介します。
面接官の質問
新卒から13年で転職を5回もされていますが、理由を教えていただけますか?
正しい回答例
私はこれまで転職を5回繰り返してきました。
3回目の転職までは仕事に対する意識も低く、自分自身の頑張りや忍耐力が足りなかったと反省しております。しかし、その後、結婚をし家庭を持つようになり仕事に対する意識も変わりました。4回目の転職では初めてのIT業界だったのですが、情報処理技術者試験の国家資格やプロジェクトマネージャー資格などを積極的に取得しながら約10年努めてまいりました。
そして、今回の転職はこれまでのような頑張りや忍耐不足によるものではなく、前職でつちかった技術を御社の組み込み系開発で活かし、更に自分自身も上を目指して成長していきたいと考えております。
どうでしょうか?
反省をした上でポジティブな理由を持ってくると、ポジティブな理由に対する説得力が出るだけではなく、過去を反省し改善できる人だと思えますよね?更にこちらから反省しているので、これ以上の突込みもされ難くなります。
話し方でも印象は変わる
毎回のように書いているのですが『話し方』は非常に重要で、話し方で面接官に伝わる印象は大きく変わります。
せっかく素晴らしい回答を考えていっても話し方が悪いと話す内容に真実味がなくなるだけではなく、仕事ができない人のような印象を与えてしまいます。話すさいには以下のポイントに注意して話すようにしてください。
これらのポイントは頭に入れていても緊張した実際の面接の場ではなかなか上手くできません。必ず、何度も声に出して練習をするようにしてください。できれば、家族や知人に聞いてもらい第三者からの感想や意見を聞くことで、本番に向けた準備を万全にすることができます。
おすすめの質問対策方法
面接に自信のない方は、転職エージェント(完全無料)を利用してみてください。
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