履歴書や職務経歴書を郵送するとき同封する添え状の書き方と封筒への入れ方を徹底解説!
添え状は、『送り状』や『送付状』などと言われることもあります。必要な箇所だけ修正してそのまま利用できるテンプレートも用意しているので、添え状を作成するときにご活用ください。
添え状の目的と役割
履歴書・職務経歴書を郵送するさいに同封する添え状の本来の目的と役割は以下の3点です。
添え状の目的と役割
- 相手に対する挨拶
- 履歴書・職務経歴書を郵送する場合、それだけが封筒に入っていたらぶっきら棒ですよね。手渡しするときも挨拶してから履歴書・職務経歴書を渡すはずです。郵送時はその挨拶ができないので、代わりとなるものが添え状です。
- 一緒に郵送している同梱物の連絡
- 封筒の中に一緒に何を入れているのかを記載しています。これにより自分はこれだけのものを送っているつもりですというのを相手に知らせることができ、認識違いの防止や、紛失チェックなどの役割を果たします。
- 補足事項の連絡
- 履歴書や職務経歴書には書けなかった補足事項を記載します。
ただ、実際のところ上記の3点だけではなく、添え状を送るこちらは側はアピールするために利用し、受け取る相手側はビジネスマナーをチェックするのに利用するなど本来の目的と役割以上のものが添え状にはあります。
そのあたりを次章『添え状の必要性』で触れていきたいと思います。
添え状の必要性
添え状って必要なの?
履歴書だけを郵送する場合でも必要?
結論としては、『必要』です。
ではなぜ必要なのか?
最初に言っておきたいのが添え状を同封しなかったから不採用になるということはありません。添え状の本来の目的は、『添え状の目的と役割』の章で記載した3点です。
しかし、添え状にはその3つの目的以外にもプラス加点、マイナス加点になり得る要素があります。例えば以下のような要素です。
添え状の加減点
- 添え状に記載するPR文章による加点
- 添え状を同封しなかった場合、ビジネスマーのない人と取られることによる減点
更に上記以外にも添え状には同封する書類の内容や枚数も記載します。自分は5種類の用紙を同封したのに相手が開封後紛失し4種類の用紙しか手元になかった場合、添え状に記載している同封物リストで気が付いてもらえる可能性があります。添え状が無かった場合、気が付いてもらうことができず4種類分の評価しかしてもらえなかったり、あなたとの認識のずれが発生する原因となります。
先述した通り、添え状だけで採用可否が判断されるようなことは基本的にはないはずですが、AさんとBさんがスキル、経歴ともに僅差で選ぶのが難しいとなったときに『Bさんより、Aさんの方がビジネスマナーがありそうだからAさんを採用しよう』といったように添え状が最後の後押しとなる可能性があります。
添え状の書き方と注意点
添え状を作成するときの書き方を解説していきます。
添え状を書くときの基本事項
添え状を書くときは、以下の3点が基本となります。
添え状の基本事項
- 使用する用紙サイズは履歴書・職務経歴書に合わせる
- パソコンで作成する
- 横書きで記載する
- 1枚の用紙で記載する
使用する用紙サイズは履歴書・職務経歴書に合わせる
添え状は、同封する履歴書や職務経歴書と同じ用紙サイズで作成します。
ここで言う履歴書や職務経歴書の用紙サイズとは、二つ折りにした状態のサイズです。例えば、A4判と言われる履歴書(職務経歴書)は開けるとA3サイズ、二つ折りにするとA4サイズになります。B5判の場合は、開けるとB4サイズ、二つ折りにするとB5サイズです。
よって、A4判の履歴書(職務経歴書)を郵送する場合はA4サイズ、B5判の場合はB5サイズの用紙で添え状を作成します。
パソコンで作成する
添え状はパソコンで作成するのが基本です。
履歴書や職務経歴書を手書きで作成したから添え状も手書きで書くという必要はありません。応募する企業によっては、いまだに『履歴書・職務経歴書を手書きで作成してください』と指定される場合もありますが、この場合も添え状はパソコンで作成して構いません。
最もやっては駄目なのが、履歴書や職務経歴書をパソコンで作成しているのにも関わらず、添え状だけ手書きで書くということです。”添え状だけ後から慌てて作りましたよ”と言った印象に取られかねないからです。
- ◯ 添え状PC・履歴書PC
- ◯ 添え状PC・履歴書手書き
- △ 添え状手書き・履歴書手書き
- X 添え状手書き・履歴書PC
横書きで記載する
添え状は、履歴書や職務経歴書と同じように横書きで記載します。
1枚の用紙で記載する
添え状はあくまで同封書類の説明が主なので、基本的には1枚の用紙でおさまるようにします。もし、2枚以上になってしまう場合は、自己PR文などが長くなり過ぎていないかなどの確認をしてください。採用担当官に時間をかけて見てもらうべきものは添え状ではなく履歴書や職務経歴書です。
添え状の各項目別の書き方
① 郵送年月日
書類をポストに投函する日を記載します。書類を作成した日ではありません。西暦もしくは和暦のどちらで記載しても構いませんが、履歴書や職務経歴書に記載している形式と統一するようにしてください。
② 宛先
応募する会社名と採用担当官の所属部署、名前を記載します。このとき、いくつか注意しなければならない点があります。
宛先記載時の注意点
- 会社名の記載
- 会社名は正式名称で記載する
[正] 株式会社JOBHUNTING
[誤] (株)JOBHUNTING - 記載順
- 『会社名⇒部署名⇒宛名』の順で記載する
- 宛名が不明な時
- 『宛名』不明時は『部署名』まで記載するか、宛名を『採用ご担当者様』と記載する
- 『宛名』『部署名』両方不明な時
- 『宛名』も『部署名』も不明な場合は、「採用ご担当者様」とだけ記載する
- 『御中』と『様』の付け方
- 部署名には『御中』、宛名には『様』を付ける。ただし、『御中』と『様』は一緒にはつけません。宛名まで記載する場合は、部署名に『御中』は記載せず、宛名の『様』だけつける
[正]
株式会社JOBHUNTING
人事部 作用ご担当者様
[誤]
株式会社JOBHUNTING
人事部御中 作用ご担当者様
誤った例1
(株)
※「株式会社」を「株」と略している
誤った例2
※宛名まで記載する場合は、部署名に『御中』は付けない
正しい記載例1
正しい記載例2
正しい記載例3
③ 差出人の情報
郵便番号、住所、電話番号、メールアドレス、名前を記載します。記載位置は、宛先より下で用紙右側に記載します。記載順は、『郵便番号⇒住所⇒電話番号⇒メールアドレス⇒名前』の順です。『名前』は先頭に記載しても構いません。
④ タイトル
添え状のタイトルを記載します。記載する位置は、差出人情報よりも下で用紙中央に記載します。記載するタイトルは添え状の趣旨が分かるように記載し、他の文字よりも少し大きめの文字サイズで記載します。
⑤ あいさつ(頭語・時候)
添え状には必ず最初に『頭語』と『時候』を記載します。
頭語について
頭語とは、「こんにちは」にあたる挨拶です。頭語の種類はたくさんありますが、履歴書や職務経歴書を郵送するときの添え状であれば『拝啓』が一般的です。また、頭語を記載する場合、『文章の結び(結語)』の章で記載する『結語』が必ずセットになります。
頭語と結語に関しては、以下の郵便局のページが参考になると思います。
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時候について
時候は頭語に続いて書く挨拶文で、一般的な手紙の場合は、今の季節感を出す言葉を含めつつ相手の気遣い文章を記載します。たとえば、夏であれば次のような文章にです。
『拝啓 蝉の声もひときわ高く~お元気にされていますでしょうか?』
しかし、転職活動の添え状に季節感を出して記載するのは少し違和感を感じます。なぜなら添え状の宛先は採用担当官宛など個人宛にする場合もありますが、添え状は企業に対して提出する書類です。企業に季節に応じた心配は不必要です。当サイトJOBHUNTINGではわざわざ季節感をいれるのではなく以下のような定型文の記載を推奨しています。
『拝啓 貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。』
⑥ 用件
用件を記載します。特に難しく考える必要はなく用件もほぼ定型文で構いません。以下の◯◯の部分だけ自分に当てはまるように変更すればよいかと思います。
『この度、貴社が◯◯◯に掲載されていました◯◯◯の求人募集を拝見し、ぜひとも応募させていただきたく、応募書類をご送付させていただきました。』
⑦ 自己PR
ここで記載する自己PRの役割について理解しておく必要があります。
履歴書内に記載する自己PRは、書類審査の通過や採用可否に向けたPRですが、添え状に記載するPRは『この人の応募書類を見てみたい』と思わせるためのPRです。
定型文だと添え状を見慣れた採用担当官にとっては、全くPRにならないので以下のようなポイントに注意してオリジナル文章を作成してください。
自己PR記載ポイント
- 必要以上に過度のアピールをして文章が長くなり過ぎないようにする
- 履歴書や職務経歴書に記載する自己PR文と全く同じにならないようにする
- 履歴書や職務経歴書に興味を持ってもらえるようなアピールをする
⑧ お願い
面接の機会を与えて欲しいというお願い文を記載します。もし、面接が決まっている場合は、応募書類の確認願いだけでも構いません。
記載例
- 履歴書と職務経歴書をご高覧の上、ぜひ面談の機会をいただけましたら幸いです。
- 応募書類をご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。
⑨ 文章の結び(結語)
『あいさつ(頭語・時候)』の章に記載した頭語とセットで記載する文賞の結びを表す言葉です。
頭語『拝啓』に対する結語は『敬具』です。添え状に記載する頭語と結語はこのセットを利用するのが一般的です。「お願い」文章の右下に記載します。
⑩ 記し書き(同封書類)
同封書類の種類と枚数を記載します。記し書きの先頭には『記』を記載し、末尾には『以上』を記載します。
添え状の封筒への入れ方
添え状を郵送するときは、添え状を一番上にして下図のような順で入れていきます。
詳しくは以下のページで解説しているので参考にしてください。
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添え状テンプレートのダウンロード
Word版とPDF版の添え状テンプレートです。
添え状に関するQ&A
添え状に関するQ&Aまとめです。問い合わせを受けた疑問に関しては今後も常時追加していきます。
履歴書だけを郵送する場合でも添え状は必要?
はい、必要です。
『添え状の目的と役割』でも記載しましたが、添え状には挨拶の意味も含まれています。添え状が無いということは挨拶もせずいきなり応募書類を突きつけているのと同じことになります。
添え状で採用可否を判断されることはある?
採用可否に直結することはないはず
添え状だけで採用可否を判断されるようなことはまずありません。ただ、添え状は応募書類の中で一番最初に目にされる書類なので、そこで不信感をもたれると後から見る履歴書や職務経歴書も不信感を引きずった状態で見ることになります。そのため、採用可否に直結しなくても間接的に影響を与える可能性は十分にあります。
履歴書・職務経歴書を郵送ではなく手渡しの場合は添え状は不要ですか?
不要とは言い切れない
ネット上の情報では手渡しする場合、添え状は不要という誤った情報が多く出回っています。しかし、必ずしも不要とは言い切れないのです。誤った情報が多いので少し詳しく記載するため、下記の別ページで解説させていただきます。
添え状の用紙サイズは何を使用すればいい?
履歴書や職務経歴書と合わせる
履歴書や職務経歴書は通常二つ折りになっており、折りたたんだ状態で封筒にいれますよね。添え状はその折りたたんだ状態の履歴書や職務経歴書と同じサイズの用紙を利用します。
添え状の用紙の種類は何を使用すればいい?
上質紙を使用する
添え状は履歴書や職務経歴書の用紙の種類と近い上質紙を使用します。普通紙は使用しません。
添え状はパソコンで書いてもいい?
パソコンで作成する方がよい
添え状はパソコンで作成するのが基本です。手書きでも構いませんが、履歴書や職務経歴書をパソコンで作成している場合に限ってはパソコンでの作成が必須です。
添え状を同封するのを忘れた場合、送りなおした方がいい?
送りなおしは不要です
同じ人から複数の書類封筒が届く方が相手にとって混乱を招きかねません。添え状を付けづに応募書類を郵送する人もたくさんおられます。
添え状は複数枚になっても構わない?
1枚で記載するのが基本
応募書類の主は添え状ではなく履歴書や職務経歴書です。添え状を見るのに時間を使ってもらうのではなく履歴書や職務経歴書に目を通す方に時間を費やしてもらわなければなりません。
添え状に自己PRは書いた方がいいですか?
書いた方が良い
自己PRの目的と記載時の注意点について解説した『自己PR』の章をご覧ください。
添え状を含む応募書類を添削してもらう!
履歴書や職務経歴書は採用可否を左右する重要な書類ですが、添え状もまた大切な応募書類の1つです。
完成した履歴書や職務経歴書、添え状は必ず第三者に添削してもらうようにしてください。自分自身で気か付かなかった問題点が必ずと言っていいほど見つかります。
友人、知人、家族に添削してもらうのでも構わないのですが、できれば転職のプロである転職エージェントに添削してもらうと、より良いアドバイスをもらうことができます。面接対策なども完全無料で行ってくれるので是非、活用してみてください。
以下のページで当サイトJOBHUNTINGが厳選しておすすめしている転職エージェントを紹介しているので参考にしてください。