2021年春に卒業し就職する人を対象就職活動のルールが見直しされるかもしれないというニュースが入ってきました。もし、ルールが変更された場合、転職活動者にどういった影響がでるのか?

そもそも就活ルールって何?という人のために少しだけ解説しておきます。ここで言う就活ルールとは正式名称「採用選考に関する指針」と言われるもので、会社説明会や面接、内定は何月以降まで行ってはならないというものです。具体的には次の通りです。

採用選考に関する指針

  • 3月1日以降 会社説明会解禁
  • 6月1日以降 面接解禁
  • 10月1日以降 内的解禁

このルールがないと、各企業、優秀な学生を他の企業に取られないように早く確保しようと、早い時期から募集や内定を出します。その結果、就活者もライバルに先を越されないように就活開始日を早めざるを得なくなります。そうすると、学生の本分である勉強に集中できなくなるためこの就活ルールが経団連(日本経済団体連合会)によって取り決めされました。

しかし、実態は経団連の会員企業や会員団体しか就活ルールが適用されていないという点、ルールを破っても罰則がないという点からルールを破って早期採用をする「青田買い」が多発しています。実際に面接が解禁されたばかりの6月1日には大学生の就職内定率が約68%だったというデータもあります。

これではルールと実態に大きな乖離があるよね?ということで就活ルールの見直しの話が出てきたのが経緯になります。

就活ルールがどのように変更されるかはこの記事を書いている段階では一切決まっていませんが、もし、撤廃されて解禁期日が無くなった場合、新卒の就活者は就職活動が早まったり、就活機関の長期化などの影響が考えられます。

そして、問題は新卒者ではなく転職活動者にはどういった影響があるのか?ですよね。

転職がしやすくなるのか?それともし難くなるのか?

個人的な見解としては、影響は少ないものの転職活動はし難くなると考えています。

転職活動向けの求人情報が多くなる時期は、1月~3月、7月~10月です。(参照:転職活動はいつから始めるのが良いか?ベストな時期とタイミング!)これは、決算時期に向けて人員不足を補う企業が多いためこの時期に求人情報が重なっている理由もありますが、採用担当である人事部が比較的手が空いていることが多いのでこの時期に求人を行っているという理由もあります。よって、1月~3月、7月~10月に転職活動をすれば比較的、条件に合った会社が見つかりやすく内定も得やすいことになります。

(今の就活ルールが適用されているときの人事は、新卒の会社説明会が解禁される3月から面接が解禁される6月までの間が忙しさのピークになります。)

もし、就活ルールが撤廃されたらどうなるでしょうか?

企業によって新卒採用に向けた人事の活動時期が変わってきます。これは求人情報が多くなる時期の1月~3月、7月~10月が崩れることを意味します。この時期が崩れてしまい、いつ求人情報が多くなるか不透明になると、転職活動をいつから開始するか計画が立て難くなります。よって、転職活動はし難くなる可能性があります。

ただ、求人情報が多くなる時期が偏らず平準化されると考えると、どの時期にでも転職活動しやすくなるとも考えられますね。

「採用選考に関する指針」がどうなるか?注視していこうと思います。