扶養家族と住民税

『結婚で退職して旦那の扶養に入ったのに住民税の納付書が送られてくるのはなんで?』

『退職して両親の扶養に入ったのに住民税の納付書が送られてくるのはなんで?』

このような疑問を持たれている方が多いので、退職して扶養に入った場合の住民税について解説していきます。住民税の額や免除、減免方法に関しては以下のページをご覧ください。

退職して扶養家族に入ったのに住民税が送られてくるのはなんで?

住民税を納める義務のない人は以下の3つのいずれかに該当する人です。

住民税の納税義務がない人

  1. 生活保護を受けている場合
  2. 障害者、未成年、寡婦または寡夫に該当し、所得が125万円以下の場合
  3. 所得金額が市区町村の定める金額以下だった場合

実際にはもう少し条件が細かく分かれるのですが、今回の件に関してはあまり気にする必要がないので細かくは解説致しません。

今回は退職後、扶養に入り収入が全く無くなったのに住民税の納付書が送られてきたという人を対象にしています。(扶養に入って収入がある人は注意が必要です。)

扶養に入り収入がなくなった場合、『3.所得金額が市区町村の定める金額以下だった場合』に該当し、納税義務は無くなるはず。

では、なぜ住民税の納付書が送られてくるのか?

住民税は前年の1月~12月の所得を元に税額が決定されます。

よって、現在扶養に入って無職であっても前年に収入があれば住民税を納める義務が発生します。逆に、現在収入があっても前年に収入がなければ住民税は課税されません。

退職後、いつまで納税する義務があるのか?

住民税は前年の所得を元に課税されるのは分かりました。

しかし、問題は退職後1年間納税したらそれ以降は納税義務がなくなるわけではないという点です。

退職後の住民税納税期間

住民税は1月から12月の1年間の所得を元に課税されますが、その1年間分の住民税を納税する期間は翌年の6月から再来年の5月になります。

よって、12月末で退職した場合、来年の12月で納税義務が終わるのではなく再来年の5月に納税義務が終わることになります。下図の例で言うと、2021年12月に退職し扶養に入って無職になったとしても2023年5月までは住民税を納税する義務があるということです。

退職後の住民税課税期間

ただ、会社員の場合は毎月給与から天引きされ1年分の住民税を12分割して納税しますが、無職や個人事業主は一括納付か4期に分けて4分割で納税するかのどちらかになります。

4分割で納税する場合の納付期限は、1期が6月30日、2期が8月31日、3期が10月31日、4期が1月31日となっています。よって、上記の例であれば2023年5月まで毎月納税するのではなく、実質は2023年の1月31日までに4期分を納付した時点で納税義務は無くなります。

退職後、いつ頃に住民税の納付書がおくられてくる?

退職後、1~2ヵ月以内もしくは5月下旬~6月上旬に納付書が送られてきます。

6月~12月末に退職して住民税の残額を一括納付していない人は、退職後、1~2ヵ月以内に納付書が送られてきます。1月~5月末に退職した人は、5月末もしくは6月上旬に納付書が送られてきます。

退職月 納付書が届く月
1月~5月末 5月末もしくは6月上旬
6月~12月末 退職後、1~2ヵ月以内