退職後の国民年金保険の免除

退職後の国民年金保険料は免除、一部免除、納付猶予ができる!ただし、メリットとデメリットを知っておくことが大事!

退職して無職期間中の国民健康保険の支払は厳しい人も多いと思います。そこで、このページでは退職後の国民年金の減額や免除について解説しています。

国民年金保険料の免除(減額)・納付猶予とは?

収入が減少したり、失業して国民年金保険料を納めるのが難しくなった場合、国民年金保険料を免除もしくは減額してもらうことができます。また、免除や減額ではなく一時的に納付を待ってもらう納付猶予というのもあります。

国民年金保険料の免除・減額とは?

国民年金保険料は、条件を満たせば免除もしくは減額してもらうことができます。どれだけ免除・減額してもらえるかは以下の4種類があります。

免除・減額区分

  • 全額免除
  • 4分の3免除(保険料の1/4は納付が必要)
  • 半額免除(保険料の1/2は納付が必要)
  • 4分の1免除(保険料の3/4は納付が必要)

4種類の区分の内、希望は言うこともできますが、最終決定は審査で行われます。全額免除を希望しても半額免除や1/4だけ免除になることもあります。

国民年金保険料の納付猶予とは?

国民年金保険料を免除や減額してもらうのではなく納付猶予をもらう方法があります。納付猶予とは、金銭的に余裕ができるまで一時的に国民年金保険料の納付を待ってもらう制度です。

『納付猶予と滞納(未納)とどう違うの?』

このように思われる方もおられるかもしれませんが、申請して納付猶予をもらうのと申請せず滞納(未納)するのとでは大きく扱いが変わってきます。

免除、納付猶予、滞納の違い

国民年金保険料の『免除』、『納付猶予』、『滞納』はいずれも保険料を納めないという点では同じですが、必要な資格期間と将来受け取れる老齢基礎年金の受給額に大きな差が生じます。

資格期間とは、国民年金保険料を一定期間分納付しなければ、老齢基礎年金を受給する資格がもらえないという期間です。平成29年8月1日以前は25年以上でしたが、現在は10年以上納付していれば受給資格がもらえます。この10年というのは連続している必要はなく、納付した期間が合計で10年以上あれば対象となります。

※用語に関する補足
国民年金と老齢基礎年金の違いについて
国民年金は納付するときの名称で、老齢基礎年金は受給するときの名称

全額免除、減額(一部免除)した場合

国民年金全額免除

免除申請して全額免除や減額(一部免除)された場合、免除されている期間は保険料を納付していなくても納付している期間(資格期間)としてカウントされます。老齢基礎年金は国民年金を10年以上納付していないと受給資格がもらえませんが、3年免除期間があっても7年以上納付している期間があれば受給資格がもらえるということになります。

更に免除されている期間、保険料を納付していなくても未納分の半分を国庫が負担してくれるため、未納保険料は実際の1/2として計算されます。よって、老齢基礎年金の受給額も3年間無申請で滞納している人よりも多く受給することができます。

例えば3年間の全額免除期間があった場合、国民年金の納付期間は40年間なので92.5%(37/40)しか納付していないことになり、本来なら老齢基礎年金の受給額も92.5%となります。しかし、3年間の半分である1.5年分は国庫でまかなってくれ、納付した扱いにしてくれるため実際に受給できる老齢基礎年金は全納した時の96.25%(38.5/40)となります。

実際にどれくらいの受給額になるか知りたい方は、『将来受け取れる年金額の目安』の章をご覧ください。

納付猶予をもらった場合

国民年金の納付猶予

納付猶予は、金銭的に余裕ができるまで納付を待ってもらうというのが前提にあります。納付猶予期間中は、全額免除や一部免除の時と同様に納付している期間(資格期間)としてカウントされますが、全額免除や一部免除のように未納分の一部を国庫で負担はしてもらえません。

例えば、3年間納付猶予期間があった場合、7年以上納付していれば老齢基礎年金の受給資格がもらえますが、国民年金の納付期間は40年間なので残り37年間を納付しても92.5%(37/40)しか納付していないことになります。よって、老齢基礎年金の受給額も全額納付した人の92.5%となります。

老齢基礎年金の受給額を増やすには、未納分を追納する必要があります。

実際にどれくらいの受給額になるか知りたい方は、『将来受け取れる年金額の目安』の章をご覧ください。

滞納(未納)した場合

国民年金の納付を滞納

国民年金の納付を申請せずに滞納した場合、滞納期間は当然ですが納付している期間として扱われません。老齢基礎年金の受給条件は、10年以上国民年金を納付している必要があり、滞納期間が長く受給条件の10年を満たしていないと年金を受け取ることもできません。

また、10年を満たしたとしても未納期間分が受給額から減額されます。

まとめ

納付期間 受給額
免除・減額 免除・減額期間中は納付した期間として扱われる 若干減額される
納付猶予 納付猶予間中は納付した期間として扱われる 未納付期間分は減額される
滞納(無申請) 滞納期間中は納付していない期間として扱われる 未納付期間分は減額される
資格期間

老齢基礎年金を将来受給するには、国民年金の納付期間20歳から60歳の40年間の内、10年(120ヵ月)以上納付している必要があります(連続している必要はない)。免除、減額、納付猶予申請をした場合、納付していない期間も納付した期間(資格期間)としてカウントされますが、無申請で滞納した場合はカウントされません。

納付額と受給額

免除、一部免除(減額)申請をした場合、免除されて未納の保険料の半分は国庫で負担し、納付した扱いにしてもらえます。よって、扱い上の未納額は実際の未納額の半分になります。老齢年金の受給額は納付した割合から算出されるため未納額が多いと受給額も減ってしまいますが、未納額が半分で計算されるためその分、受給できる額も増えます。納付猶予および無申請で滞納した場合は、国庫からの負担はありません。

免除(減額)、納付猶予した場合のメリットとデメリット

申請して免除、一部免除、納付猶予を受けた場合、やはり頑張って全期間全額納付した人よりも将来受け取れる老齢基礎年金の受給額は減ります。しかし、全く無申請で滞納する人よりは色々な点でメリットがあります。それらメリット、デメリットについて解説していきます。

免除(減額)した場合のメリットとデメリット

免除(減額)した場合のメリット

  1. 免除により保険料を納付していない期間も老齢基礎年金を受給するための資格期間としてカウントされる
  2. 免除・一部免除(減額)により未納の国民年金保険料の半分を国庫から負担して納付した扱いにしてもらえる
  3. 2.により未納扱いの額が減るため将来受給できる老齢基礎年金の受給額の減額を最小限に抑えられる
  4. 免除・一部免除(減額)を受けた期間中に、ケガや病気で障害や死亡といった不慮の事態が発生した場合、障害年金や遺族年金を受け取ることができる
  5. 免除、一部免除により納付していない国民健康保険料を過去10年間にさかのぼって追納することができる

免除(減額)した場合のデメリット

  1. 全期間満額納付した人よりは将来受け取れる老齢基礎年金の受給額が減る

実際にどれくらいの受給額になるか知りたい方は、『将来受け取れる年金額の目安』の章をご覧ください。

納付猶予した場合のメリットとデメリット

納付猶予した場合のメリット

  1. 納付猶予により保険料を納付していない期間も老齢基礎年金を受給するための資格期間としてカウントされる
  2. 免除・一部免除(減額)を受けた期間中に、ケガや病気で障害や死亡といった不慮の事態が発生した場合、障害年金や遺族年金を受け取ることができる
  3. 免除、一部免除により納付していない国民健康保険料を過去10年間にさかのぼって追納することができる

免除(減額)した場合のデメリット

  1. 国庫から負担してくれないため納付猶予を受けて保険料を納付していない分だけ老齢基礎年金の受給額が減る

実際にどれくらいの受給額になるか知りたい方は、『将来受け取れる年金額の目安』の章をご覧ください。

免除(減額)、納付猶予申請せずに滞納(未納)のままにしておいた場合

免除や一部免除、納付猶予の申請をせずに国民年金の納付を滞納した場合、どういったデメリットがあるのか?

滞納した場合のデメリット

  1. 老齢基礎年金の受給額が減る
  2. 国民年金を納付した期間が10年(120ヵ月)未満だと老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年を受給できない
  3. 免除や納付猶予申請をした人は過去10年間にさかのぼって追納することができるが、申請せず滞納している人は2年前までしか追納できない

免除(減額)、納付猶予してもらうための条件

退職者の免除(減額)、納付猶予の条件

  • 配偶者(結婚相手)の所得が一定額以下であること
  • 世帯主(親)の所得が一定額以下であること
  • 失業して納付が困難だと判断された場合
  • 出産前後の期間

退職して収入が厳しいという人は、単に金銭的に厳しいという人より条件が若干緩和されます。単に金銭的に厳しいという人は、本人の前年所得も審査対象に入ってきます。しかし、退職して無職の人は本人の所得は対象外となります。

よって、退職した場合は前年度に収入がある程度あった人でも免除や納付猶予の申請が通る可能性があるので、必ず一度申請するようにしてください。

また、平成31年4月から出産前後の期間も新たに免除対象となりました。他の免除理由とは異なり優遇点も多いです。詳しくは以下のページをご覧ください。

免除(減額)、納付猶予してもらえる期間

免除、一部免除(減額)、納付猶予してもらえる期間に制限はありません。

国民年金保険料の納付期間は20歳から60歳の40年間ありますが、最大40年間の免除、一部免除(減額)、納付猶予を受けることができます。ただし、審査は毎年されます。

将来受け取れる年金額の目安

国民年金を『全額免除』、『4分の3免除』『半額免除』『4分の1免除』『納付猶予制度』『滞納』した場合、将来受け取れる老齢基礎年金の受給額がいくらになるのか例を挙げて計算してみます。

3年間全額免除してもらったときの受給額

受給額 750,076円/年(62,506円/月)

※全納した時の受給額 779,300円/年(64,942円/月)

国民年金は20歳から60歳までの40年間が納付期間です。その内の3年間を免除してもらった場合、37年分(92.5%)しか納付していないことになります。

納付率=37/40=92.5%

本来であれば老齢基礎年金の受給額も92.5%しか受給できないのですが、免除により不足した7.5%の半分(3.75%)は国庫で負担してもらうことができます。

よって、3年間免除してもらった場合は本来受給できる額の96.25%受給できることになります。

受給率=92.5%+3.75%=96.25%

平成30年度現在では40年間納付した場合、老齢基礎年金として1年間で受給できる年金額は779,300円です。

この779,300円の96.25%である750,076円が3年間免除してもらった場合、1年間で受給できる年金額となります。

受給額=779,300円x96.25%=750,076円/年

全納した時よりも年間受給額が29,224円少なくなります。

3年間3/4免除してもらったときの受給額

受給額 757,382円/年(63,115円/月)

※全納した時の受給額 779,300円/年(64,942円/月)

3年間(36ヵ月)、納付金額を3/4免除してもらった場合、36ヶ月間の内9ヶ月分しか納付していない計算になり、残りの27ヶ月分は免除されたことに相当します。

国民年金は20歳から60歳までの40年間(480ヵ月)が納付期間です。27ヵ月分が免除されるので納付率としては次のようになります。

納付率=(480-27)/480=94.4%

本来であれば老齢基礎年金の受給額も94.4%しか受給できないのですが、3/4免除の場合は免除された期間(額)である27ヵ月分の半分(13.5ヵ月分)は国庫で負担してもらうことができ納付した扱いにしてもらえます。

よって、3年間3/4免除してもらった場合、老齢基礎年金の受給額を計算する際に使用される納付率は次のようになります。

受給額算出用納付率=(480-27+13.5)/480=97.1875%

平成30年度現在では40年間納付した場合、老齢基礎年金として1年間で受給できる年金額は779,300円です。この779,300円の97.1875%である757,382円が3年間3/4免除してもらった場合、将来受け取れる老齢基礎年金の1年間で受給できる年金額となります。

受給額=779,300円x97.1875%=757,382円/年

全納した時よりも年間受給額が21,918円少なくなります。

3年間半額免除してもらったときの受給額

受給額 764,688円/年(63,724円/月)

※全納した時の受給額 779,300円/年(64,942円/月)

3年間(36ヵ月)、納付金額を半額免除してもらった場合、36ヶ月間の内18ヶ月分しか納付していない計算になり、残りの18ヶ月分は免除されたことに相当します。

国民年金は20歳から60歳までの40年間(480ヵ月)が納付期間です。18ヵ月分が免除されるので納付率としては次のようになります。

納付率=(480-18)/480=96.25%

本来であれば老齢基礎年金の受給額も96.25%しか受給できないのですが、半額免除の場合は免除された期間(額)である18ヵ月分の半分(9月分)は国庫で負担してもらうことができ納付した扱いにしてもらえます。

よって、3年間半額免除してもらった場合、老齢基礎年金の受給額を計算する際に使用される納付率は次のようになります。

受給額算出用納付率=(480-18+9)/480=98.125%

平成30年度現在では40年間納付した場合、老齢基礎年金として1年間で受給できる年金額は779,300円です。この779,300円の98.125%である764,688円が3年間半額免除してもらった場合、将来受け取れる老齢基礎年金の1年間で受給できる年金額となります。

受給額=779,300円x98.125%=764,688円/年

全納した時よりも年間受給額が14,612円少なくなります。

3年間1/4免除してもらったときの受給額

受給額 771,994円/年(64,333円/月)

※全納した時の受給額 779,300円/年(64,942円/月)

3年間(36ヵ月)、納付金額を1/4免除してもらった場合、36ヶ月間の内27ヶ月分しか納付していない計算になり、残りの9ヶ月分は免除されたことに相当します。

国民年金は20歳から60歳までの40年間(480ヵ月)が納付期間です。9ヵ月分が免除されるので納付率としては次のようになります。

納付率=(480-9)/480=98.125%

本来であれば老齢基礎年金の受給額も98.125%しか受給できないのですが、1/4免除の場合は免除された期間(額)である9ヵ月分の半分(4.5月分)は国庫で負担してもらうことができ納付した扱いにしてもらえます。

よって、3年間1/4免除してもらった場合、老齢基礎年金の受給額を計算する際に使用される納付率は次のようになります。

受給額算出用納付率=(480-9+4.5)/480=99.0625%

平成30年度現在では40年間納付した場合、老齢基礎年金として1年間で受給できる年金額は779,300円です。この779,300円の99.0625%である771,994円が3年間1/4免除してもらった場合、将来受け取れる老齢基礎年金の1年間で受給できる年金額となります。

受給額=779,300円x99.0625%=771,994円/年

全納した時よりも年間受給額が7,306円少なくなります。

3年間納付猶予期間がある場合の受給額

受給額 720,853円/年(60,071円/月)

※全納した時の受給額 779,300円/年(64,942円/月)

3年間(36ヵ月)、納付猶予してもらった場合、追納しなければ36ヶ月間納付していないことになります。国民年金は20歳から60歳までの40年間(480ヵ月)が納付期間なので納付率としては次のようになります。

納付率=(480-36)/480=92.5%

納付猶予の場合、免除の時と違い国庫で未納分の一部を負担してもらうことができません。よって、老齢基礎年金の受給額を計算する際も上記の納付率が使用されます。

平成30年度現在では40年間納付した場合、老齢基礎年金として1年間で受給できる年金額は779,300円です。この779,300円の92.5%である720,853円が3年間納付猶予してもらった場合、将来受け取れる老齢基礎年金の1年間で受給できる年金額となります。

受給額=779,300円x92.5%=720,853円/年

全納した時よりも年間受給額が58,447円少なくなります。

3年間滞納(未納)期間がある場合の受給額

受給額 720,853円/年(60,071円/月)

※全納した時の受給額 779,300円/年(64,942円/月)

3年間滞納した場合は、納付猶予をもらった時と同じ計算になります。計算方法は、『3年間納付猶予期間がある場合の受給額』の章をご確認ください。

40年間全額免除してもらったときの受給額

受給額 389,650円/年(32,471円/月)

※全納した時の受給額 779,300円/年(64,942円/月)

国民年金は20歳から60歳までの40年間が納付期間でが、この40年間すべて全額免除を受けた場合、自分自身の納付率は0%です。

しかし、老齢基礎年金の受給額を計算するさいは免除してもらった半分の50%を国庫で負担してもらい50%は納付した扱いで計算してもらえます。よって、老齢基礎年金の受給額も満額の50%を受給することができます。

平成30年度現在では40年間納付した場合、老齢基礎年金として1年間で受給できる年金額は779,300円です。

この779,300円の50%である389,650円が40年間免除してもらった場合、将来1年間で受給できる年金額となります。

受給額=779,300円x50%=389,650円/年

全納した時よりも年間受給額が389,650円少なくなります。

40年間3/4免除してもらったときの受給額

受給額 487,063円/年(40,589円/月)

※全納した時の受給額 779,300円/年(64,942円/月)

40年間(480ヵ月)、納付金額を3/4免除してもらった場合、480ヶ月間の内120ヶ月分しか納付していない計算になり、残りの360ヶ月分は免除されたことに相当します。

国民年金は20歳から60歳までの40年間(480ヵ月)が納付期間です。360ヵ月分が免除されるので納付率としては次のようになります。

納付率=(480-360)/480=25%

本来であれば老齢基礎年金の受給額も25%しか受給できないのですが、3/4免除の場合は免除された期間(額)である360ヵ月分の半分(180月分)は国庫で負担してもらうことができ納付した扱いにしてもらえます。

よって、40年間3/4免除してもらった場合、老齢基礎年金の受給額を計算する際に使用される納付率は次のようになります。

受給額算出用納付率=(480-360+180)/480=62.5%

平成30年度現在では40年間納付した場合、老齢基礎年金として1年間で受給できる年金額は779,300円です。この779,300円の62.5%である487,063円が40年間3/4免除してもらった場合、将来受け取れる老齢基礎年金の1年間で受給できる年金額となります。

受給額=779,300円x62.5%=487,063円/年

全納した時よりも年間受給額が292,237円少なくなります。

40年間半額免除してもらったときの受給額

受給額 584,475円/年(48,706円/月)

※全納した時の受給額 779,300円/年(64,942円/月)

40年間(480ヵ月)、納付金額を半額免除してもらった場合、480ヶ月間の内240ヶ月分しか納付していない計算になり、残りの240ヶ月分は免除されたことに相当します。

国民年金は20歳から60歳までの40年間(480ヵ月)が納付期間です。240ヵ月分が免除されるので納付率としては次のようになります。

納付率=(480-240)/480=50%

本来であれば老齢基礎年金の受給額も50%しか受給できないのですが、半額免除の場合は免除された期間(額)である240ヵ月分の半分(120月分)は国庫で負担してもらうことができ納付した扱いにしてもらえます。

よって、40年間半額免除してもらった場合、老齢基礎年金の受給額を計算する際に使用される納付率は次のようになります。

受給額算出用納付率=(480-240+120)/480=75%

平成30年度現在では40年間納付した場合、老齢基礎年金として1年間で受給できる年金額は779,300円です。この779,300円の75%である584,475円が40年間半額免除してもらった場合、将来受け取れる老齢基礎年金の1年間で受給できる年金額となります。

受給額=779,300円x75%=584,475円/年

全納した時よりも年間受給額が194,825円少なくなります。

40年間1/4免除してもらったときの受給額

受給額 681,888円/年(56,824円/月)

※全納した時の受給額 779,300円/年(64,942円/月)

40年間(480ヵ月)、納付金額を1/4免除してもらった場合、480ヶ月間の内360ヶ月分しか納付していない計算になり、残りの120ヶ月分は免除されたことに相当します。

国民年金は20歳から60歳までの40年間(480ヵ月)が納付期間です。120ヵ月分が免除されるので納付率としては次のようになります。

納付率=(480-120)/480=75%

本来であれば老齢基礎年金の受給額も75%しか受給できないのですが、1/4免除の場合は免除された期間(額)である120ヵ月分の半分(60月分)は国庫で負担してもらうことができ納付した扱いにしてもらえます。

よって、40年間1/4免除してもらった場合、老齢基礎年金の受給額を計算する際に使用される納付率は次のようになります。

受給額算出用納付率=(480-120+60)/480=87.5%

平成30年度現在では40年間納付した場合、老齢基礎年金として1年間で受給できる年金額は779,300円です。この779,300円の87.5%である681,888円が40年間1/4免除してもらった場合、将来受け取れる老齢基礎年金の1年間で受給できる年金額となります。

受給額=779,300円x87.5%=681,888円/年

全納した時よりも年間受給額が97,412円少なくなります。

40年間納付猶予期間がある場合の受給額

受給不可

※全納した時の受給額 779,300円/年(64,942円/月)

老齢基礎年金の受給資格である資格期間(国民年金を10年以上納付)が不足しているため年金は受給できません。

40年間滞納(未納)期間がある場合の受給額

受給不可

※全納した時の受給額 779,300円/年(64,942円/月)

老齢基礎年金の受給資格である資格期間(国民年金を10年以上納付)が不足しているため年金は受給できません。

国民年金保険料の免除・一部免除(減額)、納付猶予の申請方法

免除や納付猶予の申請は、住民登録をしている区市町村の国民年金窓口で行います。

申請に必要なものは以下のものです。

申請に必要なもの

  • 国民年金手帳 または基礎年金番号通知書(必須)
  • 前年の所得を証明するもの
  • 所得の申立書(所得についての税の申告を行っていない場合)
  • 雇用保険受給資格者証の写しまたは雇用保険被保険者離職票等の写し
  • 印鑑
  • 身分証明書