職務経歴書は、単にこれまで携わってきた業務内容を書けばよいというものではありません。書き方によって、採用担当者に与える印象が大きく変わってきます。また、職務経歴書と履歴書の違いもしっかりと抑えて記載する必要があります。
ここでは、採用担当者が採用したくなる職務経歴書の書き方や、職種別の例文、職務経歴書と履歴書の違いなど掲載しています。職務経歴書のフォーマットもダウンロードできるようにしているので是非、ご活用下さい。
『履歴書』の書き方については以下のページにまとめているので、そちらをご覧ください。
■目次
職務経歴書と履歴書の違い
職務経歴書と履歴書は記載する内容は似ていますが、目的が異なってきます。また、採用担当者が確認するポイントもそれぞれで異なります。2つの書類の違いをしっかり理解した上で記載することが重要です。
職務経歴書と履歴書の目的の違い
職務経歴書と履歴書には以下の様な目的がそれぞれあります。
職務経歴書の目的
職務経歴書の最大の目的は、採用担当者に対して自分の能力やスキルをアピールすることにあります。採用担当者も、あなたのこれまでの実績を知らないので、この職務経歴書をもとに入社後に活躍できるのか?企業が必要とする人材なのかを見極めます。よって、採用可否を判断される重要な資料だと言えます。
履歴書の目的
あなたの学歴や取得している資格や住所など基本的なプロフィールを記載します。履歴書は本人確認用の資料として提出する目的が大きく、採用可否の判断材料としては見られない場合が多いです。ただ、見られないからと言って手を抜くのは禁物です。手を抜いて記載するとそれだけで印象としては悪くとらえられてしまう可能性があります。
職務経歴書と履歴書の見られるポイントの違い
採用担当者が職務経歴書と履歴書を見るポイントの違いは以下の通りです。履歴書は採用可否の判断材料としては見られない場合もありますが、見られる場合は以下の様な点を見られます。
職務経歴書で見られるポイント
- 求めている実務経験・能力を満たしているか?
- 入社後、活躍できる人物かどうか?
- どういった実績・業績を上げてきたか?
- 仕事に対して前向きな意欲があるか?
- しっかりとした転職目的があるか?
- 前職の退職理由が何か?
- 記載内容の信ぴょう性確認(面接と相互で確認)
- 丁寧な文字で記載しているか?
履歴書で見られるポイント
- 住まいが通勤可能かどうか?
- 過去の経歴に不自然な点がないか?(転職回数や長期失業期間など)
- 応募動機がしっかりしているか?
- 希望している職種、給与面で隔たりがないか?
- 丁寧な文字で記載しているか?
職務経歴書の書き方 ~重要な6つのポイント~
応募先企業に応じて記載する内容を変える
職務経歴書の内容は、応募する企業すべてに同じものを提出するのではなく、その企業の知りたいことや求めていることをしっかりと明記することが大切です。
1.見やすいフォーマットで記載する
履歴書は、JIS規格でフォーマット様式が規定されていますが、職務経歴書はそういった規定がありません。そのためアピールしようと思いオリジナリティ溢れたフォーマットを作ってしまうと逆に見難くなる場合があります。規定がないと言えど、ある程度の一般的な形式はあります。そこから大きくずれ過ぎないようにしましょう。見やすいフォーマットはそれだけで好印象を与えアピール材料にもなります。
また、最近ではパソコンで作成することが多くなっており、アピールするためにカラーで記載すべきか悩む人も多いかと思います。これは受け取る側の企業によって好印象を与える場合もあれば、必要以上にアピールする人だと悪印象を与える場合もあり、どちらが良いというのは一概に言うことはできません。カラー色を使うのはカテゴリー文字程度にしその他は黒を使うのが一番無難かと思います。以下にそのサンプルを添付しておきます。
2.見やすく丁寧な文字で記載する
最近は手書きで書くことは減ってきましたが、手書きする場合は丁寧な文字、文章で書くとアピール材料になります。逆に字が汚い場合は悪印象になりかねないので、字に自信がない人はパソコンで作成した方が良いかと思います。
パソコンで作成する場合は、文字の大きさとフォントに注意するようにしましょう。文字の大きさは大き過ぎず小さ過ぎず読みやすい大きさ(10~12ポイント)、フォントは「MS P明朝」などの明朝体が一般的です。文字色はアピールしたいところをカラーで書きたいと考える人もおられるかもしれませんが、悪印象に取られる可能性があるのでできる限り黒が無難です。テクニックとしては、アピールしたいところを相手に悟られない程度に文字サイズを他よりも少しだけ大きくすると目に映りこむ印象が変わってきます。
3.相手に簡潔で伝わりやすい文章で記載する
採用担当者が読んで何を言いたいのか分からないような文章を書くと悪印象になってしまいます。かと言って、相手に伝えようとするがあまり長々と文章を書くのもよくありません。簡潔ではあるが、伝えたい内容がしっかりと伝わる文章を書くことが大切です。
4.履歴書よりも詳細に記載する
職務経歴書と履歴書は一部書く項目が同じものがありますが、同じ内容を書くと職務経歴書の意味が無くなってしまいます。履歴書に書ききれなかった内容などを含めより詳細に記載するようにして下さい。
5.面接でのやりとりも想定して記載する
職務経歴書の内容は、面接時に必ず話の材料になってきます。質問された場合、どのように答えるかも想定し、自分がアピールしやすいように記載しましょう。
6.採用担当者の立場になって読み返す
職務経歴書の作成が終わったら、最後に採用担当者の立場になって読み直してみて下さい。第三者に読んでもらうと自分では気が付かなかった感じたこと、疑問に思ったことを知ることができます。
採用担当者が重要視する8つのポイント
採用担当者は職務経歴書から以下の8つのポイントを重要視してきます。記載する側のあなたもこのポイントをしっかり抑えるように書くことが大切です。また、記載している内容に対して面接時に質問されても明確に答えられるように想定しておきましょう。
[重要視されるポイント]
- 求めている実務経験・能力を満たしているか?
- 入社後、活躍できる人物かどうか?
- どういった実績・業績を上げてきたか?
- 仕事に対して前向きな意欲があるか?
- しっかりとした転職目的があるか?
- 前職の退職理由が何か?
- 記載内容の信ぴょう性確認(面接と相互で確認)
- 丁寧な文字、体裁で記載しているか?
職務経歴書のフォーマットについて
職務経歴書は規定されたフォーマットはありませんが、大きく分けて下表の5つの区分(①冒頭、②応募、③経歴、④能力、⑤アピール)に分けて記載します。各区分にはいくつかの項目があり、赤文字で記載している項目が職務経歴書に必須で書くべき項目になります。
区分 | 項目 | 内容 |
---|---|---|
①冒頭 | 標題 | 「職務経歴書」という標題を太目の大きな字で最上部中央に記載する。 |
日付 | 職務経歴書内の日付は和暦か西暦で統一する。 | |
名前 | パソコンで作成する場合は、名前だけ自筆してもよい。 | |
年齢 | 任意 | |
捺印 | 任意 | |
住所 | 任意 | |
電話番号 | 任意 | |
②応募 | 志望職種 | 応募先の企業が複数の職種を応募している場合に記載する。 |
希望勤務地 | 応募先の企業が複数の勤務地を応募している場合に記載する。 | |
③経歴 | 職歴概要 | 「職務経歴」は箇条書きするのに対し、この「職歴概要」は、携わってきた業務内容とそれを応募企業へどのように活かせるかを250~300文字程度にまとめて書く。 |
職務経歴 | 勤務先の会社名、在籍期間、経験年数、所属部署、役割、業務内容、実績、退職理由、転職理由などを記載する。 | |
特別な経験 | 表彰や特命の業務などアピールできる職務上の特別な経験があれば記載する。 | |
職務以外の活動 | ボランティアや地域の活動、学生時代の活動などの社外活動でアピールできるものがあれば記載する。また、趣味やスポーツなどで職務に関係付けられるようなものがあれば書いてもよい。 | |
④能力 | 取得資格 | 資格、免許、PCスキル、扱えるソフトのスキル、語学スキルなどを記載する。既に失効した資格や現在、勉強中のものがあれば、その旨を明記した上で記載してもよい。 |
活かせる能力 | 持っているスキルや技能、知識、得意分野、専門知識など応募する企業に役立てられる能力あれば記載する。交渉力や行動力、発想力などのビジネススキルも記載してよい。 | |
学習歴 | 研修歴、自己啓発、職業訓練などの学習歴を記載する。学歴は履歴書に記載するが、アピールできるものがあれば記載してもよい。 | |
⑤アピール | 自己PR | 自分の強み、長所、仕事に対する姿勢、意欲、目標、応募する企業にどのように貢献するかなど自分を売り込むためのアピールを書く。 |
志望動機 | 履歴書にも同様の項目があるが、履歴書よりも詳しく明記する。エピソードなどを加えてもよい。 |
職務経歴書の書き方(作成方法)
職務経歴書の書き方は、以下のファイル(ハローワーク発行)に詳細にまとめられています。重要な内容がたくさん記載されているので一通り目を通すようにして下さい。
職務経歴書を送付する場合の注意点
職務経歴書は手渡しではなく送付する場合もあります。送付する場合は、以下の点に注意するようにして下さい。
送付状・添え状を添付する
職務経歴書を送付する場合、封筒の中に職務経歴書を入れるだけではなく送付状も入れるようにしましょう。送付状には以下の様な内容を記載します。
- 送付年月日
記載日ではなく送付する日を書く。同封する履歴書や職務経歴書の日付も統一するようにする。 - 宛先
「応募先企業名」、「採用担当者の所属部署」、「採用担当者名」の3つを記載する。採用担当者名が不明な場合は、採用担当者の所属部署まで、採用担当者の所属部署も分からない場合は、応募先企業名のみ書く。 - 氏名・連絡先
携帯電話番号も忘れないようにする - 頭語+時候の挨拶
- 応募した経緯
- 簡単な自己PR
職務経歴書や履歴書でもPRを記載するので、くどくならないように簡単に記載すること - 同封した書類を記載
- 結語
送付状・添え状の書き方の例
送付状の書き方の例です。特に決められたフォーマットはありませんが、誤字脱字には気を付けてください。
応募書類の封筒の入れ方
職務経歴書を封筒で送る場合、ただ単に必要書類を入れればいいというわけではありません。入れ方や入れる順にも気を配る必要があります。
まず、入れ方についてですが「書類を折らずに封筒に入れる方法」と「書類を折って封筒に入れる方法」の2通りがあります。採用担当者の立場からすると、折られていない方が取り扱いやすく印象的にもよくなる可能性があります。よって、おすすめの入れ方は応募書類の用紙サイズに合わせた封筒を用意し「書類を折らずに封筒に入れる方法」です。
枚数が多い場合は、クリップやクリアファイルに入れて書類がバラバラにならないような気配りも好印象の1つです。
応募書類の入れる順番
応募書類の入れる順は、送付状が一番上、その次にハローワークなどの紹介状があれば二番目、次に履歴書、職務経歴書の順になります。
メールで送付する場合
メールで応募書類を送付する場合は、できる限りPDFで送るようにしましょう。ワードファイルが一般的なように思われていますが、ワードファイルはワードがインストールされていなければ開くことができません。PDFファイルは、ウェブブラウザで開くことができるためたいていの人が開くことができます。
PDFファイルは、ワードを使っても作成することができます。ワードで職務経歴書を作成し、保存する際に「ファイルの種類」でPDFを指定することでできます。
完成した職務経歴書は必ず添削してもらう!
職務経歴書は応募書類の中でも最重要書類です。
書き方次第で採用可否の結果に大きく影響してきます。逆に言うと、これまで経験や実績があまりなくても書き方次第で採用確率を大きくアップさせることができます。
とは言え、採用担当官は採用のプロです。上手に書いたつもりでも多くの応募書類を見てきた採用担当官にとってはどうしても強いアピールを与えるのは難しいです。そこでおすすめなのが転職エージェントの利用です。
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